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更新日:2025年8月1日
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【広報ふじ令和7年】まちかどネットワーク(8月号)
夏の富士市を彩る富士梨
富士市の特産「富士梨」
甘味とみずみずしさで、夏の暑さを和らげてくれる梨。
岩松地区や富士駅南地区、須津地区などで栽培されている「富士梨」は、富士市の特産品の一つです。温暖な気候と良好な土壌に恵まれ、糖度が高いことが特徴です。
明治末期、富士駅北地区の水田地帯で栽培されたことが富士市の梨栽培の起源とされています。戦前は、県内有数の産地としてその名が知れわたっていました。
しかし、近年では栽培面積が年々減少している状況にあります。
県の品評会で金賞受賞
須津地区南部の中里地区や川尻地区では、田んぼの周辺に梨農園が広がっています。
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(画像説明)梨農家の飯島さん
昨年8月に行われた静岡県の品評会では、富士三水園の代表を務める飯島正道さんが栽培した梨が、金賞に輝きました。
飯島さんは、「冬の土づくりや害虫・病気の防除から始まり、夏の収穫までほぼ一年を費やします。最近では、異常気象による水害、日照時間やひょう害などの影響も少なくありません。それでも、梨が実ったときや、おいしいと喜んでくれるお客さんの顔を見られたときはうれしいですね」と、自然を相手にする苦労と喜びを話します。
栽培する上での工夫を尋ねると、「梨の見た目をきれいにするために、受粉の段階から注意しています。使用していた花粉が病気の影響で入手できなくなり、花粉の自家採取を始めましたが、時間も手間もかかります。また、摘果を何回も行ったり、枝の向きや角度を調整する誘引という作業を行ったりします。やることは多いですが、一つ一つの実に栄養が渡るよう気にかけています」と教えてくれました。
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(画像説明)摘果をする飯島さん
農園で直接販売
市内の農園では、主に「幸水」と「豊水」が作られています。毎年8月頃には、収穫したばかりの梨を求め、農園の直販所に長蛇の列ができることもあるそうです。
「富士三水園は、完熟の状態で出荷しているのが売りです。時期によっては売り切れてしまうこともあるので、せっかく買いに来てくれた人に残念な思いをさせてしまわないよう、最近はウェブサイトで販売状況を随時発信しています。今年もおいしい梨を多くの人にお届けしたいですね」と飯島さんは話してくれました。
富士梨は、店頭に並ぶことが少なく、農園や農家の直接販売など、手に入れられる場所が限られています。
今年の夏は、採れたての富士梨をぜひ味わってみませんか。
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(画像説明)栽培中の富士梨