現在位置:トップページ > 観光・文化・スポーツ > 歴史・文化財 > 文化財の保護・活用・市史編さん > お知らせ(文化財の保護・活用・市史編さん) > 「富士山東泉院関係資料」が市指定有形文化財になりました
ページID:14888
更新日:2025年7月23日
ここから本文です。
目次
「富士山東泉院関係資料」が市指定有形文化財になりました
かつて吉原公園内に存在した寺院「富士山東泉院」に伝わった資料群が、令和7年7月22日に富士市指定有形文化財(歴史資料)になりました。
富士山東泉院とは
富士山東泉院は、戦国時代から明治初年まで、現在の吉原公園(今泉八丁目)にあった寺院です。初代住持雪山から蘂雄(ずいゆう)まで21代の住職によって、地域の有力寺院として護り続けられました。
東泉院は地域の有力寺院というだけではなく、市内5つの神社を管理する下方五社別当職を務め、時の権力者から朱印領190石を与えられた領主としての側面もある寺院です。
最後の住持の蘂雄の時に、明治維新を迎え新政府の神仏分離政策の影響により、東泉院は廃寺となりました。
現在の吉原公園内には、富士山東泉院時代の宝蔵が残っています。
富士山東泉院に伝わった資料とは
東泉院は廃寺となり、最後の住持の蘂雄は、還俗して六所良邑(よしさと)と名乗り同じ場所に定住します。良邑の子孫によって富士山東泉院に関係する資料が大切に守り継がれてきました。
これらの資料は、平成17年に富士市へ寄贈され、市では調査委員会を組織して古文書や民俗、建造物といった各分野の専門家の指導を受けながら調査と整理を行いました。
資料調査の結果、富士山東泉院に伝わった資料は、古文書をはじめ、建造物関係資料(棟札類)、聖教(しょうぎょう)資料、書画、民俗資料など多岐にわたっていることがわかりました。その他、東泉院跡地の発掘調査からたくさんの出土品(考古資料)が見つかっています。
これらの内、今回、富士山東泉院時代の資料を中心に「富士山東泉院関係資料」として一括で市の指定文化財になりました。
「富士山東泉院関係資料」の詳細内容(PDF:748KB)(別ウィンドウで開きます)
これらの資料は、現在、富士山かぐや姫ミュージアムで保存され、展示などで活用されています。今回指定になった資料の一部は、常設展示でご紹介しています。
富士山かぐや姫ミュージアムについて(別ウィンドウで開きます)
「富士山東泉院関係資料」が市指定文化財になった理由
富士山東泉院関係資料は、古文書、棟札類、聖教資料、書画資料、考古資料などがあり、真言密教寺院として、また下方五社別当や領主としての東泉院の実態がわかる資料群です。これらの資料は、明治新政府の神仏分離政策の影響で東泉院が廃寺となっているのにもかかわらず、残されてきた資料であり大変貴重です。
また、東泉院という寺院の歴史だけではなく、市域の歴史や文化の一端がわかる貴重な資料群であるため市指定文化財になりました。