再生紙の紹介
再生紙とは
紙はパルプから作られます。パルプとは、原料から他の成分を取り除いた植物繊維のことで、原料により大きく2つに分かれます。皆さんの多くは、「木から紙を作る」というイメージを持っているのではないでしょうか。この工程を言葉で表すと、木材からパルプを作り(これを「木材パルプ」と言います)、それを漉いて紙にするものです。一方、こうして作られた紙は不要になると「古紙」と呼ばれます。古紙は、インクなどの余分な成分を取り除いて再びパルプの状態に戻し(これを「古紙パルプ」と言います)、紙に作り直すことができます。皆さんが使った紙や、製紙工場で紙を生産する過程で発生する端材(切れ端)などが古紙になります。なお、リサイクルされる古紙パルプに対し、木材パルプは初めて使われることから「バージンパルプ」、「フレッシュパルプ」とも呼ばれています。実際に身の回りに流通している古紙パルプ由来の紙製品の多くは、古紙パルプ100%ではなく、木材パルプを混ぜたものがたくさんあります。再生紙とは、このように古紙パルプ100%または古紙パルプと木材パルプを混ぜ合わせた紙製品を言います。なお、再生紙と表示して販売する場合は、「古紙パルプ配合率◯◯%以上」と表示することとなっており、古紙パルプの使用状況が分かります。
古紙パルプへの木材パルプの配合
古紙は、通常インクや油などの汚れ、細かいゴミと言った、いろいろな成分が含まれています。この古紙パルプ100%の再生紙を木材パルプ100%の新品の紙と同じように白く強い状態にするには、多くのエネルギーやコストが必要となります。このため、木材パルプを混ぜることで、製品や目的やニーズに合った製品を作ることができます。ただし、古紙パルプ100%の紙製品も販売されています。製品にもよりますが、トイレットペーパーやティッシュペーパーのように、使用したらもうリサイクルできない用途の製品には、古紙パルプ100%のものが多くあります。
再生紙を使用した製品
トイレットペーパー、ティッシュペーパー、タオルペーパーなどの家庭紙は、回収・リサイクルには向きません。このことから、リサイクルできないこれらの製品に、できるだけ再生紙を使うことが、エコにつながります。皆さんも、これらを購入するときに、再生紙を意識してみてください。再生紙は「古紙パルプ配合率◯◯%以上」と書かれています。家庭紙の他にも、職場で使うコピー用紙などでも、最近は再生紙が普及してきています。コピー用紙と一言で言っても、普通紙、上質紙、再生紙などいろいろな種類があります。この中で、さらに再生紙と言っても、古紙パルプ配合率もメーカーや製品によっていろいろです。種類や製品によって、文字に向いているもの、写真印刷に向いているもの、長期保存に向いているものなど、向き不向きがあります。コピー用紙の目的とともにエコの観点も取り入れて、賢い選択をお願いいたします。