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更新日:2025年5月15日
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目次
浄化槽のしくみ・使いかた・転換について
浄化槽をお使いのみなさまへ、浄化槽のしくみ・使いかた・合併浄化槽への転換について説明します。
浄化槽とは
- 浄化槽は、主に下水道などが整備されていない地域において各家庭の敷地内に設置され、家庭から出る汚れた水をきれいにするための施設です。
- 浄化槽は、地中に埋まっているため普段は目にすることはありませんが、中では微生物の働きにより汚れた水を浄化しています。
- 浄化槽は、下水道などの集合処理施設とは異なり、長い管渠を必要としないため、人口分散地などにおいてコスト的に有利な施設であるとともに、地震などの影響を受けにくく災害に強い施設であるとも言われています。
浄化槽のしくみ
浄化槽のしくみ
- 家庭から出た汚水が、地下の配管を通り浄化槽に入ります。
- まず、汚水が浄化槽の「嫌気ろ床槽(けんきろしょうそう)」という部屋(槽)に入ります。嫌気ろ床槽では軽いものは浮き、重いものは沈むという現象を繰り返し、汚水の中の固まりとそれ以外のものに分かれます。味噌汁をそのまま置いておくと重いものが沈み、きれいな上澄みができます。そういった現象を利用したものです。
- 「嫌気ろ床槽(けんきろしょうそう)」で、さらに、酸素がないところで繁殖する微生物(嫌気性微生物)が、汚水の中の有機物を食べて分解していきます。
- 次に、もう一つの「嫌気ろ床槽」に入ります。先ほどと同じ処理を繰り返しながら、汚れを取り除いていきます。
- 次に、「接触ばっ気槽(せっしょくばっきそう)」に入ります。酸素があるところでさかんに繁殖する微生物(好気性微生物)が、ブロワー(送風機)から送り込まれる空気の助けをかりて、さらに有機物を分解します。
- 次に、「沈殿槽(ちんでんそう)」に入ります。汚水を浄化した微生物のかたまりは汚泥となって沈殿槽に沈みます。
- 最後に、「消毒槽(しょうどくそう)」に入ります。沈殿槽できれいになった上澄みは、消毒剤を通って槽に溜まることで消毒されます。
- 衛生的できれいになった処理水は、浄化槽から地下の配管を通り、側溝や川に放流されます。
浄化槽の使い方について
- トイレにはトイレットペーパー以外のものは流さないようにしましょう。
- 水回りのそうじには専用洗剤を使い、用量を守って使いすぎないようにしましょう。
- 破損の原因や作業の支障となるので、浄化槽の蓋や本体の上に物を置かないようにしましょう。
- ブロワー(送風機)の電源は、絶対に切らないでください。
- 放流水やにおいに異常を感じたら、保守点検業者に連絡しましょう。
トイレに流してはいけないもの
台所に流してはいけないもの
お住まいの住宅で浄化槽をお使いの場合、法律に基づき、浄化槽の所有者や使用者(浄化槽管理者)に維持管理義務が発生します。詳しくは、下記のリンクをご覧ください。
浄化槽の種類について
- 浄化槽には単独処理浄化槽(たんどくしょりじょうかそう)と合併処理浄化槽(がっぺいしょりじょうかそう)と呼ばれる2つの種類があります。
- 家庭で設置されている浄化槽がどちらの種類なのか確認しましょう。
単独処理浄化槽(たんどくしょりじょうかそう)
単独処理浄化槽の図
- し尿(トイレの排水)の処理だけを目的としている浄化槽です。
- この浄化槽を設置している家庭では、生活雑排水(台所、お風呂、洗濯などの排水)が処理されないまま側溝や川に流れてしまっています。
- このため、環境への負荷が大きいことなどから平成13年の浄化槽法改正により、現在では「単独処理浄化槽」を新たに設置することは原則認められていません。「単独処理浄化槽」が「みなし浄化槽」と言われる所以です。
- 既に「単独処理浄化槽」を設置している家庭でも、し尿とあわせて生活雑排水を処理することができる「合併処理浄化槽」への転換に努めることとされています。
合併処理浄化槽(がっぺいしょりじょうかそう)
合併処理浄化槽の図
- 生活排水(し尿(トイレ排水)に加え、お風呂や台所、洗濯などの排水を合わせた家庭から出るすべての排水)を処理することを目的とした浄化槽です。
- し尿の処理だけを目的とした「単独処理浄化槽」とは異なり、お風呂や台所などの排水をそのまま側溝や川に流すことがないため、環境にやさしい施設であると言われています。
- 水を処理する性能が向上し、「単独処理浄化槽」では難しい、排水中に含まれる窒素やリンを取り除いて処理をすることができるものもあります。
- 浄化槽の大きさがコンパクトになり、「単独処理浄化槽」の大きさとほとんど変わらないものもあります。
合併処理浄化槽(がっぺいしょりじょうかそう)に転換しましょう
- 単独処理浄化槽は、合併処理浄化槽に比べて約8倍の汚れを排出しており、悪臭や水質汚濁など周囲の水環境に対して悪影響を及ぼしている場合があります。
- 単独処理浄化槽は平成13年度以降に製造・設置が原則禁止されているので、設置されてから少なくとも20年以上が経過しています。一般的なFRP製の単独処理浄化槽の耐用年数は30年と言われており、耐用年数を超えた浄化槽が多くあります。
- 耐用年数を超えた単独処理浄化槽において、破損や亀裂、著しい変形、漏水などが認められた場合、当該箇所を補修したとしても材質そのものが劣化しているため、他の個所で何らかの異常が発生することが考えられることから、補修せずに合併処理浄化槽に転換することが望ましいです。
- 市では、単独処理浄化槽・汲み取り便所から合併処理浄化槽に転換(設置替え)する方に対し、補助金を交付して支援しています。詳しくは下記をご覧ください。
※FRPとは繊維強化プラスチックの略で、強度繊維(ガラス繊維・カーボン繊維など)と樹脂(不飽和ポリエステル樹脂・ビニルエステル樹脂・エポキシ樹脂など)を組み合わせたものです。