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SRHR(性と生殖に関する健康と権利)をご存じですか

2023年11月27日掲載

SRHR(性と生殖に関する健康と権利)の定義や国際的な動き、富士市の取組について説明します。

SRHR(性と生殖に関する健康と権利)とは

 SRHRとは、英語のSexual and Reproductive Health and Rightsの頭文字をとったもので、セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの呼称として広く使われており、「性と生殖に関する健康と権利」と訳されます。
 SRHRは、誰もが性や身体のことを自分で決め、守ることができる権利であり、すべての人の「性」と「生き方」に関わるものです。
 特に、女性は妊娠・出産の可能性があることなど、心身の状態がライフサイクルによって大きく変化することから、SRHRの視点が殊に重要であり、すべての女性が、いきいきと自分らしく、安心した生活を送れる社会を実現するためには、女性の生涯における健康問題について、男女が共に関心を持ち、正しい知識を得ることが求められます。

SRHRの定義

 SRHR(セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)は4つの関連し合う概念を組み合わせて作られている言葉であるため、分けて考えるとよりわかりやすくなります。

●セクシュアル・ヘルス

自分の性に関することについて、心身ともに満たされて幸せを感じられ、その状態を社会的にも認められていること。

●リプロダクティブ・ヘルス

性や子どもを産むことに関わるすべてにおいて、本人の意思が尊重され、自分らしく生きられること。
妊娠したい人、妊娠したくない人、産む・産まないに興味も関心もない人、アセクシャルな人(無性愛、非性愛の人)問わず、単に病気や障害がないだけでなく、身体的、精神的、社会的にすべてが満たされた状態(ウェルビーイング)であることを指します。

●セクシュアル・ライツ

自分の愛する人、自分のプライバシー、自分の性的な快楽、自分の性のあり方(男か女かそのどちらでもないか)といった、性を自分で決められる権利。

●リプロダクティブ・ライツ

自分の身体に関することを自分自身で決められる権利。
産むか産まないか、いつ・何人子どもを持つかなど、生殖に関するすべてのことを責任をもって自分で自由に決められる権利で、そのために必要な情報やサービスを得られることも指します。

SRHRをめぐる国際的な動き

 SRHRの考え方のもとになった、リプロダクティブ・ヘルス /ライツ(Reproductive Health and Rights :RHR)は、「性と生殖に関する健康と権利」と訳され、1994(平成6)年にエジプト・カイロで開催された国際人口開発会議において提唱された概念です。
 翌年、中国・北京で開催された世界女性会議で採択された「行動綱領」にも、リプロダクティブ・ヘルスの概念が盛り込まれ、女性の人権であると改めて確認されました。
 国際社会において、リプロダクティブ・ヘルス /ライツは、ジェンダー平等の実現という課題とも結びつきながら発展し、現在では、「セクシャル・ヘルス/ライツ」を含むSRHR(セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)へと進展しています。
 SRHRは、生殖可能な時期だけでなく、思春期や更年期、老齢期を含む一生を通して幅広く性と生殖の健康を保証する考え方です。
 世界的に、母子保健や性感染症などさまざまな生殖に関する課題を、より包括的な人権問題として捉えようとする動きが高まるなか、より多くの人がこれらの課題を自分ごととして捉え、考えるためのきっかけとして、SRHRが注目されています。

SDGs達成 におけるSRHRの必要性

 SDGs(持続可能な開発目標)では、2030年までに達成すべき17の「目標(Goal)」が設定され、それぞれの目標に、延べ169の具体的なターゲット(数値目標など)が定められています。
 SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」や目標5「ジェンダー平等(注1)を実現しよう」のターゲットにはSRHRが深く関わっており、SDG3とSDG5の達成のためには、すべての人にSRHRを保障することが欠かせません。特に、妊娠・出産の当事者である女性が自分で生き方を選ぶためには、性と健康への自己決定権が不可欠です。

(注1)男女、あらゆるジェンダー間で格差のない社会。一人ひとりが性別に関わらず、対等な立場で、政治・経済・社会・職場・家庭等、さまざまな分野に参画し、責任や権利、機会を分かち合うこと。

まずは知ることからはじめませんか

 SRHRを保障することで、すべての人がジェンダー(注2)に基づく暴力などによって傷つけられず、自分の身体や性について正しい認識を持ち、健康を確保して豊かな生涯を送ることができる社会の実現につながります。
 まずは一人ひとりがSRHRの考え方を知り、「自分の身体は自分で守る」「自分の気持ちを尊重し、生き方を選択していい」と認識することが、自分らしく生きるための力につながります。そして、家族やパートナーにその気づきを伝え、広げていくことが、社会が変わっていくための第一歩になります。

(注2)ジェンダー:生物学的な性別ではなく、社会的・文化的に作られた性別のことです。社会通年や慣習の中にある社会によって作り上げられた「男らしさ」、「女らしさ」といった言葉で表現されるもので、生物学上の雌雄を示すセックスと区別されます。それ自体に、良い、悪いといった価値判断を含むものではありません。

リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する富士市の取組

 リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する富士市の取組を紹介します。

第4次富士市男女共同参画プランによる推進

 富士市では、平成13年度に策定した富士市男女共同参画プランにリプロダクティブ・ヘルス/ライツの概念を盛り込み、第3次プランからリプロダクティブ・ヘルス/ライツへの支援を施策に位置付けました。
 現行の第4次富士市男女共同参画プラン(計画期間:令和4年度から令和8年度まで)においても、施策のひとつとして位置づけ、男女が共に性に関する正しい知識と情報を持ち、的確な医療や健康を支援する取組の充実を図ることとしています。

リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関連する施策

基本目標3 生涯を通じた心身の健康維持・増進
 施策の方向(2)性別による健康維持阻害要因の除去
  施策1 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)への支援

SRHR(性と生殖に関する健康と権利)講演会の開催

 国際ソロプチミスト富士及び公益財団法人ジョイセフと連携し、医学博士・産婦人科医の高尾美穂氏を講師にお招きし、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)講演会「人生をよりよく生きるために —今なにを選ぶか。健康で幸せに生きるメソッド—」を開催します。

  • 日時 令和5年12月13日(水曜日) 18時から19時30分まで
  • 会場 富士市文化会館 ロゼシアター 小ホール

ホワイトリボン運動への協力

 ホワイトリボンは、女性の健康と権利の大切さを伝える国際的なシンボルマークです。
 ホワイトリボンランはホワイトリボン支援の輪を広げることを目的として、3月8日の国際女性デーと連動させて、公益財団法人ジョイセフが「走ろう。自分のために。誰かのために。」というスローガンで、女性の命と健康を守る活動として2016年から全国で展開しているものです。
 富士市では、ホワイトリボンランの会場のひとつとして、毎年3月に、NPO法人楽しいことやら座と共催で実施しています。

関連サイト

 リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する国の施策については、内閣府男女共同参画局ウェブサイトから確認できます。

お問い合わせ

市民活躍・男女共同参画課 男女共同参画室(市庁舎3階北側)

電話:0545-55-2724
ファクス:0545-55-2864
メールアドレス:si-danjo@div.city.fuji.shizuoka.jp

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