富士市宮島沖で遭難したディアナ号を、地元の漁民が救助したことから、富士市とロシアとの友好の歴史が始まりました。
嘉永7年(1854)10月、プチャーチン提督率いる外交使節を乗せたロシア軍艦ディアナ号が下田に来航しました。この時、安政東海地震に遭遇し大破したディアナ号は、修理のため西伊豆の戸田港へ向かうことになりました。折から悪天候のため漂流し、嘉永7年(1854)11月、田子浦沖合に漂着し、その後、駿河湾内で沈没しました。
漂着した際、地元住民がディアナ号の乗組員を救助した話は、現在も語り継がれています。
安政元年(1854)12月21日、下田で日露和親条約が締結されました。
富士市内にある、ロシア軍艦「ディアナ号」にまつわる場所をご紹介します。
富士市五貫島にある三四軒屋区公会堂南側敷地には、ロシア軍艦ディアナ号の錨が置かれています。
海底に沈んだ錨は、たびたび魚網を食い破ることがあり、地元の漁民や住民に「唐人のねっこ」と語り継がれてきました。
昭和51年8月、この錨は五貫島の三四軒屋沖合水深24mから引き上げられました。平成元年12月21日には、富士市指定有形文化財に指定されています。
この錨に先立って昭和29年に引き上げられた錨は、現在沼津市立戸田造船郷土資料博物館に置かれています。
この友好の像は、富士市の先人の勇気と献身的な行動に対して、また日露和親条約締結140周年を記念して、ロシアから寄贈されたものです。公園に隣接する富士山かぐや姫ミュージアムには、ディアナ号模型などが展示されています。
ロシア軍艦ディアナ号を、実物の3分の1の大きさで再現したものです。1階の展示スペースには海底から引き揚げられたディアナ号の鎖の一部や、当時の様子を紹介するパネルなどが展示されています。
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