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更新日:2025年5月15日
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目次
蚊媒介感染症に注意しましょう!
蚊を媒介する感染症の対策についてお知らせします。
蚊媒介感染症とは?
蚊が媒介する感染症の総称です。日本で発生、あるいは持ち込まれる可能性の高い疾患として、ウエストナイル熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱、デング熱、日本脳炎、マラリアがあげられます。
疾患名 (50音順) |
媒介蚊 (感染経路) |
発生地域 | 主な症状 | 備考 |
---|---|---|---|---|
ウエストナイル熱 | アカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカなど (鳥→蚊→人) |
アフリカ、ヨーロッパ、中東、中央アジア、西アジア、アメリカなど | 発熱、頭痛、背部痛、筋肉痛、筋力低下、食欲不振、発疹 ※潜伏期間2~6日 |
国内での感染例は認められていないが、ヨーロッパやアメリカなど西半球に1990年代中頃から流行が発生。 |
ジカウイルス感染症 | ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど (人→蚊→人) |
中南米、カリブ海諸国、オセアニア太平洋諸国など | 軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、結膜炎、疲労感、倦怠感など ※潜伏期間2~12日 |
平成27年から中南米を中心に流行。国内での感染例は認められていない。ギラン・バレー症候群や小頭症との関連が疑われている。性行為による感染例あり。 |
チクングニア熱 | ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど (人など→蚊→人) |
アフリカ、南アジア、東南アジアなど | 急性の発熱と関節痛、発疹 ※潜伏期間3~12日 |
国内での感染、流行はないが、海外で感染した輸入症例あり。 |
デング熱 | ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど (人→蚊→人) |
東南アジア、南アジア、中南米、カリブ海諸国 | 発熱で始まり、頭痛、眼窩痛、筋肉痛、関節痛 ※潜伏期間2~15日 |
平成26年に国内感染例発生。 非致死性の熱性疾患であるデング熱と、重症型のデング出血熱やデングショック症候群の2つの病態あり。 |
日本脳炎 | コガタアカイエカ (豚→蚊→人) |
日本、中国、東南アジア、南アジア | 発熱、頭痛、吐き気、嘔吐、めまい、意識障害 ※潜伏期間6~16日 |
感染しても発病するのは100~1,000人に1人程度であり、大多数は無症状に終わる。 |
マラリア | ハマダラカ (人→蚊→人) |
東南アジア、アフリカ、中南米 | 発熱、悪寒、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛 ※潜伏期間7~40日 |
ハマダラカの国内人口密集地域での生息はない。 マラリア原虫の種類によって分類があり、もっとも危険なものが熱帯熱マラリアで、治療が遅れると死に至ることがある。 |
蚊媒介感染症の対策
蚊が感染症を媒介するため、「蚊を発生させない対策」「蚊に刺されない対策」を心がけましょう。
蚊を発生させない対策
蚊は、小さな水たまりでも卵を産みます。卵は乾燥に強く、一度水がなくなっても再び水がたまるとふ化します。蚊の対策には、発生源をなくすことが大切です。幼虫(ボウフラ)が発生しにくい環境を作り、蚊の発生を抑えましょう。
- 水たまりをなくす。
- バケツなどの容器は片付け、水がたまらないようにする。
- 植木鉢の受け皿は定期的に清掃し、たまった水はこまめに捨てる。
- 雨水ますなどは、こまめに点検と清掃を行い、水の流れをよくする。
- 古タイヤは処分するか穴をあける。コップ半分ほどの塩を入れておくと、夏の間に蚊の発生を抑えることが期待できます。
- 水がたまる「泥だめ」に幼虫(ボウフラ)が発生しているときは、2~3滴の食用油で水面に膜をつくると、幼虫の呼吸を妨げ、蚊の発生を防ぐことができます。
蚊の発生場所例
<蚊の発生する場所の例>
- 植木鉢の皿
- 雨水マス
- ビニールテントの溝
- 古タイヤ
- ポリタンクの中など
蚊に刺されない対策
- 蚊が生息する場所へ外出する際は、長袖シャツ、長ズボンを着用するなど、肌の露出をなるべく避ける。
- 肌の露出部分には虫除け剤を使用する。(虫除け剤の効果は、蒸発、雨、発汗、拭くことにより失われます。屋外で長時間活動する際は、定期的に再使用する必要があります。また、用法・用量や使用上の注意を守って正しく使用しましょう。)
- 網戸や扉の開閉はすばやくし、屋内への蚊の侵入を防ぐ。
- 蚊取り線香などを適切に使用する。
- 蚊媒介感染症の発生地域に渡航する場合は、事前に感染症の発生状況を確認し、対策を行う。(厚生労働省検疫所ウェブサイト)