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ある担当者のつぶやき 【10月放送分】第38回~第41回

2022年12月08日掲載

 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が放送されています。
 学生時代は日本史が苦手だった担当者が、大河ドラマの感想をつぶやいたり、物語をより深く楽しむためのポイントを頑張って解説したりします。

第四十一回 「義盛、お前は悪くない」(2022年10月30日放送):更新日12月8日

(画像)第41話のイメージ

 和田義盛に多くの矢が突き刺さる、壮絶な最期でしたね。まるで武蔵坊弁慶の逸話のようでした。北条に逆らった者はこうなる、といった見せしめの意味があったのでしょう。恐怖で人を支配する、源頼朝から学んだ政治です。かつては頼朝の冷酷さを恐れていた北条義時が、自らこんな恐ろしいことを計画するようになるとは…
 平和な世を作るために、未来の犠牲を増やさないために危険分子を排除したはずですが、気が付いたら頼朝挙兵時から従っていた有力御家人達が、ほとんどいなくなってしまいました。
 このままでは、義時の最期も、頼朝のように自らの罪に苛まれた悲しいものになってしまいそうで心配です。
 

ポイント解説

北条泰時は和田合戦の時、二日酔いだった?

 父・義時の行動が理解できず、ふてくされて酒を飲む北条泰時。泰時が泥酔の中、和田合戦が開始されます。実はこの展開、史実に基づいているようです。

 「吾妻鏡」には、和田合戦についてこんなエピソードが書かれています。
 事件の前夜、友人としたたかに酒を飲んで酔い潰れていた泰時は、朝になって和田義盛挙兵の知らせに驚きます。二日酔いで吐き気を堪えながら出撃することになり、後悔した泰時は禁酒を決意しました。
 そうして馬を走らせているうちに喉が渇いてきましたが、慌てて出てきたために飲み水を用意していません。近くにいる武士に水をわけてくれるよう頼んだところ、「水はないが酒はあるぞ」と差し出してくれました。泰時は先程の禁酒の誓いを破って酒を飲み、禁酒の誓いを深酒の禁止へと変更しました。

 ドラマではまじめで実直な泰時ですが、実際は豪快なところがあったのかもしれませんね。

和田義盛と富士市について

 富士市には、地元の人々から「義盛さん」の愛称で呼ばれる「和田神社」があります。和田義盛と富士市には、どんなゆかりがあるのでしょうか。

 源平合戦の一つ、富士川の合戦において、源頼朝率いる源氏は富士市内今泉・原田の高台を中心に、依田橋・鈴川・鮫島の一帯に陣を置いたとされます。
 頼朝の有力御家人だった和田義盛は今泉の守りを命じられ、現在の日吉浅間神社の付近に陣を置き、神社の南側を流れる川に逆茂木(先をとがらせた木の枝を並べた、防御のための障害物)をしかけて厳重に警備したと言います。
 こうした伝承から、のちにその川は「和田川」、付近の土地は「和田」と呼ばれるようになったとされます。
 日吉浅間神社の近くにある「和田神社」は、創建時期は定かではないものの、和田義盛をこの地の守護神として祀るために、土地の人々の手により建てられたと言われています。

第四十回 「罠と罠」(2022年10月23日放送):更新日12月8日

(画像)第40話のイメージ

 大江広元と北条義時の密談は、不穏な空気が漂います。よく考えてみると、源頼朝の時代から、鎌倉に危険な人物を排除するよう助言してきたのが大江でしたね。義時の非情さが目立っていますが、一番冷徹で怖いのは大江なのかもしれません。
 三浦義村が、義時をあっさりと裏切り和田義盛の味方になりました。昔から勝ち目がある方に上手く乗り換えていた人物なので驚きませんが、味方につける方も、いつ裏切るかわからない義村をよく信用できるなあと思います。どうしても味方につけたいほど三浦の勢力が強かったのか、それとも損得勘定で動く行動心理がわかりやすいからなのでしょうか。
 ああ義盛、このドラマで双六は死亡フラグだよ、やめておいた方が…

ポイント解説

三浦義村たちが起請文を飲んだのは何故?

 三浦義村たちが、和田を裏切らないよう、燃やした起請文を飲まされていました。中世社会において、誓約を結ぶ人々は「一味神水(いちみしんすい)」という儀式を行っていたようです。

 一味神水では、誓約する内容と、誓約を破った場合は神仏の罰が下ると書かれた誓約書(起請文)に参加者が署名して燃やします。その灰を神水に入れ、一同回し飲みしました。
 神水とは神前に供えられた水で、境内の井戸でくんだ水や神酒などを使用していました。全員で分かち合って飲むことは、神と共飲共食し、誓約に神が立ち会ったことを意味していました。
 一味神水は、農民一揆など組織の面々が一致団結する際に行われ、互いに約束事を破らないことを誓約したとされています。

第三十九回 「穏やかな一日」(2022年10月16日放送):更新日12月8日

(画像)第39話のイメージ

 義時と比奈の息子、朝時が登場しましたね!富士郡に謹慎されたエピソードも、ちょっこり出てきました。
 それにしても、義時の息子達の恋愛面はひどいですね…次男の朝時は女癖が悪いですし、長男の泰時の鈍感さといったら!実朝が渡した恋の和歌を、自分に渡したのは間違いでは、と返すところでは、思わず「泰時、最低!!」とテレビの前で叫んでしまいました。実朝の気持ちを知っていて、わざと気付かないふりをしているのかな?とも思いましたが、父の期待にもまったく気付かない鈍感な泰時なので、きっと分かってないのでしょう。
 実朝に対し、鎌倉の政治は自分の指示に従うように脅す義時。義時のブラックな一面が出てきました…!北条時政のような独裁にならないか心配です。

ポイント解説

源実朝が北条泰時に送った和歌について

 和歌を好んだ実朝。その時代随一の歌人と言われる藤原定家から和歌の指導を受け、自らが詠んだ和歌を編集した歌集「金槐和歌集」を作るほどでした。

 ドラマで実朝が最初に泰時に送ったのが、以下の和歌です。

 春霞 たつたの山の 桜花 おぼつかなきを 知る人のなさ
 (現代語訳)春の霞のせいで、はっきりと姿を見せない龍田の山の桜のように、もどかしい恋心を持て余している。

 泰時に送る和歌を間違っていると指摘され、差し替えたのが以下の和歌です。

 大海の 磯もとどろに よする波 われて砕けて 裂けて散るかも
 (現代語訳)海岸の磯にとどろくように打ち寄せる波、その荒波が岩にあたって砕けて、裂けて、細かなしぶきとなって散っていることよ

 2つ目の和歌は、写実的で力強い歌だとか、実朝の孤独を表現しているなどといった評価のある歌ですが、今回のドラマでは実朝の失恋を思わせる演出が面白いですね。

第三十八回 「時を継ぐ者」(2022年10月2日放送):更新日12月8日

(画像)第38話のイメージ

 北条親子の別れの語らいで、涙する義時。何となく、義時がここまで感情を出すのは、これが最後な気がします。父親という一番深い繋がりを失った義時。鎌倉そして北条のために、今後は人間を捨て、迷いのない冷徹な鬼となっていく予感がします。
 二人の最後の会話がウグイスだったのは、世代交代の暗示だったのでしょうか。春の訪れを告げるウグイスですが、義時の未来が春のように希望に溢れていると良いのですが…
 執権を継ぐことを迷っていた義時の背中を押したのが、りくなのが意外でしたね。何かと義時に厳しかったりくですが、実は本人よりも彼の才能を認めていたようです。

ポイント解説

北条時政と牧の方(りく)の最期

 執権として権力を握った北条時政ですが、自身の子どもである政子と義時によって鎌倉を追放されることとなりました。彼と妻・牧の方の最期はどのようなものだったのでしょうか。

 畠山重忠を陥れたことで御家人から信頼を失った時政。牧の方と共謀し、娘婿である平賀朝雅を将軍にするべく3代目将軍・源実朝の殺害を計画しますが、政子と義時によって阻止され、失脚。時政と牧の方は出家後、伊豆へ追放されます。

 その後、時政は政界に返り咲くことなく、10年後、腫物により伊豆で亡くなったとされています。
 牧の方の最期の詳細は分かっていませんが、時政の没後は京都の娘夫婦の元へ身を寄せ、贅沢な暮らしをしていたようです。歌人・藤原定家の日記「明月記」には、牧の方が時政の13回忌を盛大に行う様子について書かれています。

お問い合わせ

交流観光課 観光担当(市庁舎5階南側)


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ファクス:0545-55-2937
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