2025年04月01日掲載
中里にある「浮島ヶ原自然公園」をご存じですか?
この公園は、市の天然記念物に指定されている貴重な植物「サワトラノオ」をはじめとした、湿生植物を保護するために、平成22年4月に開園しました。
かつて「浮島沼」と呼ばれていたこの湿地では、ここでしか見ることのできない貴重な植物たちに出会うことができます。
15分程度で園内を一周することができるため、植物に興味がある人だけでなく、散歩ルートとして利用する人など、市内外から様々な人が訪れています。
浮島ヶ原自然公園に芽吹く命
公園を設立するきっかけとなった「サワトラノオ」は、標高の低い湿地に生える多年草で、茎の先や枝の先へ10センチ前後の花穂ができ、4月末から5月にかけて小さな白い花をつけます。
県内で生育しているのは、浮島ヶ原自然公園周辺(富士市と沼津市)のみ。県外では、関東地方と九州の数か所で生育が確認されていますが、土地開発や異常気象の影響などにより、自生地が非常に少なくなっているようです。
この公園の自然保護活動をする富士自然観察の会の運営委員である鈴木福美さんは、「この公園では、特別な許可などなく、誰でも気軽にサワトラノオを見ることができるため、専門家や環境省の人が見に来たこともあります。10年前には2000株以上ありましたが、現在はかなり数が減っています。そのため私たちは様々な保全対策を行い、生育環境を守っています」と話します。
公園で活動する「富士自然観察の会」
鈴木さんが活動する「富士自然観察の会」は昭和60年に設立され、今年で40年を迎えました。
市内を中心に、自然観察会の開催や自然保護活動、生き物調査・研究活動のほかに、体験イベントの開催や小・中学校などに出向いて自然教室を開催しています。土・日曜日、祝日の10~15時は、浮島ヶ原自然公園内のガイドも行っています。
自然を大切にするうえで、私たちにできることを伺うと、「人間も、自然の中で生きる動植物と同じ生き物です。最近は、人間の暮らしやすさや快適さを追求されがちですが、もっとありのままの自然にふれる必要があると感じます。共存していくためには、一人一人がもっと自然の大切さを意識し、生活していくことが重要だと思います」と話してくれました。
浮島ヶ原自然公園には、サワトラノオに加え、全国有数の群生数を誇る「ノウルシ」などの植物のほか、野鳥などの様々な動物も見ることができます。
皆さんも自然を感じながら、珍しい生き物を探してみませんか?
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(画像説明)浮島ヶ原自然公園
(画像説明)サワトラノオ
(画像説明)公園について話す鈴木さん
浮島ヶ原自然公園
中里2553-8
電話 31-0330
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