富士市
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令和6年度施政方針 【施策の大要】

 それでは、新年度の施策の大要につきまして、新規施策や主な事業を中心に、「第六次富士市総合計画」に位置付けた7つの基本目標に沿ってご説明申し上げます。

 第1に『安心できる暮らしを守るまち』を実現するための施策について申し上げます。 
 まず、地震対策の強化につきましては、令和7年度末の住宅耐震化率95%の目標達成に向け耐震改修を促進し、木造住宅の耐震補強を支援いたします。
 また、地震時における緊急輸送路や通学路の安全を確保するため、引き続き危険なブロック塀等の所有者に対して撤去・改善を支援してまいります。
 さらに、多様な市民の防災意識の向上を図るため、乳幼児の親を対象とした講座の内容等を充実させるとともに、外国人向けの講座を新たに外国人学校においても開催いたします。
 豪雨等対策につきましては、国・県と連携し、引き続き、沖田地区などで実施する総合的な治水対策を進めるとともに、富士早川や下堀等を整備するほか、間門や水口(みのくち)などの急傾斜地崩壊対策を推進してまいります。
 また、浸水被害の軽減を図る新たな取組として、江尾地区へ緊急排水ポンプを導入いたします。
 危機管理体制につきましては、富士山噴火時の避難行動について周知・啓発を図るため、新たな「富士山火山防災マップ」を全戸配布し、順次説明会を開催いたします。
 また、昨年導入した防災アプリ「防災ふじ」について、多くの方に理解し利用していただくため、地区防災会議などで周知を図るとともに、避難支援体制の構築を促進するため、支援者の拡大、避難行動要支援者の登録促進に向け、自主防災会などに対し、個別避難計画を簡単に作成できる機能などについても周知してまいります。
 さらに、避難行動要支援者名簿を精査し、災害時において、真に支援が必要な方を把握するとともに、同意をいただいた方の情報を地域へ提供し、日頃からの見守り活動に活用することにより、確実に支援できる体制を構築してまいります。
 消防・救急・救助につきましては、大淵分署及び鷹岡分署の高規格救急自動車、大淵分署の水槽付消防ポンプ自動車、南分署の化学消防自動車及び消防団第25分団の消防ポンプ自動車を更新するほか、消防活動用ドローン1機を追加配備いたします。
 また、災害時における消防施設の機能を強化するため、吉永分署、富士見台分署及び大淵分署に非常用電源設備を設置するとともに、消防指令センターに映像通報システムを導入し、災害状況を早期に把握することで円滑で効果的な消防活動の遂行に繋げてまいります。
 さらに、消防団員への出場指令をはじめとする業務を集約し、消防団活動の効率化を図るため、消防団アプリを導入いたします。 
 防犯につきましては、不審者等から児童の安全を確保するため、引き続き通学路における防犯カメラ設置費用を補助するほか、防犯効果が期待できる場所などへ、街頭防犯カメラを試験的に設置いたします。
 安全・安心な消費生活の確保につきましては、市内企業の新人社員研修において若者向けの出前講座を実施するほか、高齢者などの消費者被害を防止するため、地域での見守りネットワークである「富士市消費者安全確保地域協議会」の活動の充実を図ってまいります。
 また、暮らしに役立つ情報を発信する生活展が第50回の節目を迎えることから、消費生活に関する記念講演を開催いたします。
 地区まちづくり活動につきましては、須津地区及び松野地区を対象として、自ら計画した事業に自由に活用することができる「富士市まちづくり活動推進一括交付金制度」の試行導入を行うとともに、新たに指定管理者制度の導入を希望する地区を支援してまいります。
 また、天間まちづくりセンターのリニューアル工事を実施するほか、原田まちづくりセンターのリニューアルに向けた実施設計や、今泉まちづくりセンター石積擁壁の改修工事に向けた詳細設計を行います。
 男女共同参画につきましては、本年度開催した「富士市男女共同参画地区推進員事業検討懇話会」の意見を踏まえ、地区推進員の選出方法や事業内容について検討してまいります。
 また、女性活躍やワークライフバランスを推進するため、積極的な取組事例などを紹介する企業向け講座を新たに開催するとともに、引き続き女性デジタルスキル習得講座などを実施してまいります。

 第2に『次代を担うひとを育むまち』を実現するための施策について申し上げます。
 まず、こども施策につきましては、子どもの権利を基盤に総合的な推進を図るため、「第三期富士市子ども・子育て支援事業計画」「はぐくむFUJI少子化対策プラン」「富士市子どもの未来サポートプラン」「第二次富士市子ども・若者育成支援計画」を統合し、「(仮称)富士市こども総合計画」を策定いたします。
 切れ目のない子育て支援の充実につきましては、妊産婦等が身近で相談できる体制を強化するため、産前産後サポート事業において、伝法及び青葉台まちづくりセンターを会場に加えるとともに、産後ケア事業の初回無料チケットを配付するなど、妊産婦が健やかな育児や生活ができるよう支援いたします。
 また、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、低所得世帯におけるこども医療費自己負担金の無料化を実施するほか、幼稚園・保育園等における給食の主食に係る費用を支援してまいります。
 さらに、乳幼児の子育てに係る経済的負担の軽減を図るため、国の子育て応援金に上乗せして支給いたします。
 子育てしやすい環境の整備につきましては、令和7年度以降の放課後児童クラブ運営事業者を選定するとともに、巡回支援員を増員し、引き続き各クラブの運営状況等について助言指導を行ってまいります。
 また、公立保育園の民間移管の円滑化を図るため、引継ぎ共同保育を実施するほか、全ての子どもに対し、良質な成育環境を提供するため、親の就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる「こども誰でも通園制度」を試行いたします。
 さらに、富士川第一幼稚園と岩淵保育園を複合化し、令和7年度に開園を予定する「(仮称)富士川認定こども園」について、必要な改修を行うとともに、伝法地区において令和7年4月に開園を予定する私立認定こども園の施設整備や、私立保育園などの大規模改修を支援いたします。
 子どもと家族の健康の保持・増進につきましては、妊婦の口腔衛生向上を図り、早産、低体重児出産のリスクを低減するため、歯科健診を集団から個別方式に移行し、健診料金の無料化を全妊婦に拡大して実施いたします。
 子どもの健やかな成長への支援につきましては、子どもが安心して過ごせる場所を市内各所に拡大するため、支援や運営体制のあり方等について検討するとともに、子どもの居場所づくりの担い手を発掘し、人材を育成してまいります。
 また、妊産婦、子育て世帯、子どもへの一体的な相談支援体制の更なる充実を図るため、本年4月から「子育て総合相談センター」等を「こども家庭センター」として再編し、母子保健・児童福祉両分野の連携・協働を深めてまいります。
 若者の希望をかなえる支援につきましては、高等教育機関の誘致等に向け、地域課題の解決を図る共同研究の実施や、学生等と市民の交流機会の創出により、高等教育機関との更なる連携強化を図ってまいります。
 また、本市における大学等のフィールドワークを創出するため、中央図書館分館に「(仮称)フィールドワークセンター」を開設するとともに、交通費の一部を補助するなど、本市で活動する学生等を支援いたします。
 さらに、若い世代の交流や出会いの場を創出するため、青少年教育センター、丸火自然公園、博物館等における交流事業を実施してまいります。
 加えて、結婚を希望する方に対しては、引き続き婚活パーティー「フジ・ラブストーリー」を実施するとともに、「ふじのくに結婚応援協議会」が運営する「ふじのくに出会いサポートセンター」の登録料を全額助成してまいります。
 青少年健全育成の推進につきましては、引き続き青少年体験交流事業「無限∞のキズナ」を長野県伊那市を中心に実施してまいります。
 学校教育につきましては、新たに中学校6校に学校運営協議会を設置し、全ての小中学校へコミュニティ・スクールの導入を完了させるとともに、目指す児童生徒像 を共有し、9年間の義務教育課程を切れ目なく編成する小中一貫教育を全中学校区で実施いたします。
 また、特別支援教育等のサポート員を増員し、特別支援教育の更なる充実を図ってまいります。
 さらに、富士市立高等学校において、AIを用いたテスト自動採点システムを導入し、教員の働き方改革を進めるとともに、探究学習やキャリア教育の集大成として行う海外探究研修を再開いたします。
 教育施設の整備につきましては、吉永第二小学校、吉原第三中学校、元吉原中学校の屋内運動場のリニューアルや、大淵第一小学校などにおける校舎等の改修を実施するとともに、岳陽中学校の武道場の建設工事に着手いたします。
 また、児童生徒の夏季の学習環境を改善するため、小中学校の対象となる特別教室への空調設備の整備を完了いたします。
 社会教育の充実につきましては、多様な学習機会を子どもに提供するため、学校や地域等と連携して、地区まちづくりセンター等を会場に「放課後子ども教室・少年教育講座」を開催してまいります。
 文化財保存・活用の推進につきましては、「富士市文化財保存活用地域計画」に基づき、市指定史跡千人塚古墳の保存整備工事及び発掘調査を実施いたします。
 また、国指定史跡浅間古墳においては、保存活用計画を策定するほか、周知を図るための文化財シンポジウムを開催いたします。
 さらに、国登録有形文化財旧順天堂田中歯科医院の広見公園ふるさと村歴史ゾーンへの移築復原に向け、建物調査や実施設計を行うとともに、国重要文化財古谿荘の所有者である一般財団法人野間文化財団に対し、引き続き国・県と協調し修復工事を支援してまいります。
 市民文化の振興につきましては、市展の出展数の増加を図るため、絵画の部の開催に合わせ、デジタルアートの部を試験導入いたします。
 スポーツ施設の整備につきましては、総合体育館の令和7年4月供用開始に向け、本体工事と運営準備を進めてまいります。
 また、砂山公園プールにおいて、民間活力を最大限活用し、サービスの向上とコスト削減を図るため、新たな運営事業者選定に向けた準備を進めてまいります。
 さらに、富士総合運動公園内の施設において、本年9月に開催される天皇賜杯第79回全日本軟式野球大会に向け、スコアボードをフルカラーLED方式に更新するとともに、陸上競技場において、第2種公認の更新に係る改修工事に併せ、メインスタンドの修繕及び夜間照明の設置に向けた調査を実施いたします。
 加えて、富士川体育館において、スケートボード愛好者が安全に楽しめるよう、北側駐車場に各種セクションと夜間照明を設置するなど、スケートパークを整備いたします。

 第3に『支え合い健やかに過ごせるまち』を実現するための施策について申し上げます。
 まず、中央病院につきましては、令和13年度の新病院開院を目指し、敷地内における現地建替を最優先候補として、基本構想及び基本計画の策定に着手いたします。
 また、医療の質の向上と診療の効率化を図るため、電子カルテ等院内情報システムを更新するとともに、医療連携体制の充実を図るため、脳神経外科・脳神経内科を中心に、救急医療センターや救急隊等との間で患者の医療情報を共有するアプリの運用を開始いたします。
 さらに、地域周産期母子医療センターにおいて、妊産婦の移動負担などの分娩リスクを軽減し安全・安心な分娩環境を整備するため、周産期病棟に陣痛室・分娩室・回復室が一体となったLDR室を新設いたします。
 救急医療につきましては、富士保健医療圏における救急受入困難事案、いわゆる630問題の改善を目指し、引き続き平日昼間に救急患者の受入可能な医療機関の輪番体制を構築し、事業効果を検証してまいります。
 健康づくりにつきましては、市民の健康増進や将来の医療費抑制を図るため、引き続き健康管理アプリを利用して市民のウォーキングを促すふじ健康ポイント事業を実施してまいります。
 疾病予防につきましては、子宮頸がんの更なる予防を目指し、引き続きワクチンのキャッチアップ接種を実施するなど、接種勧奨を行ってまいります。
 国民健康保険につきましては、特定健康診査の受診率が低い40歳・50歳代被保険者の自己負担金を無料化し、受診しやすくすることで、生活習慣病の早期発見と重症化予防を図ってまいります。
 包括的支援につきましては、人と人、人と地域がつながり合う地域共生社会を実現するため、既存の包括的相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援、アウトリーチ等を通じた継続的支援に、新たに多機関協働による支援を加え、重層的支援体制整備事業を実施いたします。
 高齢者支援につきましては、高齢者の生活を支える担い手として地区が養成した生活支援サポーターの活動を支援するとともに、高齢者の介護予防を効果的に推進するため、運動機能向上に特化した短時間デイサービスを開始いたします。
 ユニバーサル就労につきましては、様々な働きづらさに対応するため、支援を必要とする方が幅広い業種を選択できるよう、引き続きBeパレットふじなどの関係機関と連携し、協力企業の開拓を進めるほか、テレワークの導入などにより新しい働き方の創出を目指してまいります。

 第4に『豊かな環境を保ち継承するまち』を実現するための施策について申し上げます。
 まず、気候変動対策につきましては、ゼロカーボンシティの実現に向け、「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」を活用し、市民や中小企業者等に対する太陽光発電設備導入などを支援してまいります。
 また、脱炭素に繋がる新しい国民運動「デコ活」の普及啓発を進め、将来の豊かな暮らしを実現できるよう市民・消費者の行動変容を促すとともに、商工団体や金融機関等と連携し、事業所等における二酸化炭素排出量の見える化を進めてまいります。
 自然環境の保全・再生につきましては、本年9月に取得予定の南富士カントリー倶楽部のゴルフ場用地において、「富士山麓の環境保全と共生ビジョン」に基づき、自然の復元ゾーンの植林を行うとともに、自然との共生ゾーンの民間事業提案を公募し、事業者を選定いたします。
 また、「生物多様性ふじ戦略」の中間見直しに着手し、重点プロジェクトに位置付けた外来種の防除や、いきもの調査などを展開してまいります。
 ごみの減量化につきましては、循環型社会の実現を目指し、次期「富士市ごみ処理基本計画」を策定するとともに、引き続き、古紙やプラスチック製容器包装など、資源物の分別徹底の啓発を行うほか、食品ロス削減に向けた取組を実施してまいります。
 廃棄物適正処理の推進につきましては、新環境クリーンセンターへ家庭ごみを持ち込む際の混雑を解消し、スムーズな受入れが可能となるよう、本年7月から当日予約を可能とする完全予約制を導入いたします。
 また、災害発生時に迅速な対応ができる体制を整えるため、俵石スポーツ広場を会場に災害廃棄物仮置場設営訓練を実施いたします。
 上水道事業につきましては、老朽管の更新や主要管路等の耐震化を計画的に進めるほか、官民連携のもと、民間事業者の技術力などを活用し、有収率向上に取り組んでまいります。
 また、水道配管設計CADシステムを新たに導入し、設計業務の効率化を図るとともに、富士中央配水池において、令和7年度の施設完成に向け、ポンプ棟建築工事と電気・機械設備工事を実施いたします。
 簡易水道組合の統合につきましては、統合コストを算出するための給水装置調査を浮島町簡易水道で行うほか、増川江尾簡易水道などへの配水管布設工事や吉永配水池のさく井工事を実施するとともに、各組合における統合推進計画の策定などを支援してまいります。
 公共下水道事業につきましては、下水道施設の次期包括的民間委託に向け、施設の維持管理と更新をより一体的に進める新たな官民連携方式であるウォーターPPP導入の準備を進めてまいります。
 また、引き続き、鷹岡、天間地区などにおいて管網整備を行うほか、管路更生工事や老朽化が進む施設の更新改築を計画的に実施してまいります。
 さらに、東部浄化センターにおいて、PPAモデルによる太陽光発電を導入するとともに、西部浄化センターにおいては、下水汚泥燃料化に係る民間事業者との共同研究を継続し、下水道事業における脱炭素化の実現に繋げてまいります。 

 第5に『活力を創り高めるまち』を実現するための施策について申し上げます。
 まず、新産業・成長産業への参入支援につきましては、脱炭素に寄与するものづくりを後押しするための補助制度を拡充するとともに、引き続き産学の連携や異業種のマッチング等による、高付加価値で競争力の高い製品開発を支援いたします。
 また、設立5周年を迎える富士市CNFプラットフォームにおいては、記念シンポジウムを開催し、会員相互の連携を深化させるほか、デジタル技術を活用したオープンイノベーションによる共創や、社会実装に向けた取組を促進してまいります。
 さらに、県と連携した国際展示会の開催に向け、デジタルマーケティングを活用するなど、CNFの用途開発の拡大や「CNFのまち」としての認知度向上を図る取組を推進してまいります。  
 地場産業の振興につきましては、市内ものづくり企業の技術や製品を市内外に広く発信するため、産業支援機関等と連携し、ものづくり力交流フェアを開催いたします。
 また、次代のものづくり産業の担い手を育成するため、大学や企業等と連携したプログラミング教室など、子どもたちがデジタル技術に触れ、STEAM教育にも繋がる機会を設けてまいります。
 企業誘致・留置につきましては、新設や増設などを行う企業に対し、速やかな事業開始に向けた支援を行うとともに、新たな産業用地を確保するため、開発可能性が高い候補地における土地利用転換の実現性について検討してまいります。
 まちなかのにぎわい創出につきましては、中心市街地において、お試し出店の場を提供する空き店舗等活用促進事業を実施するほか、まちあそび人生ゲームin富士を開催いたします。
 市場機能の維持につきましては、岳南富士地方卸売市場の運営体制の強化を図るため、関係者との協議を進めるとともに、引き続き富士中央青果株式会社のアクションプランの進捗等を確認しながら支援・指導を実施してまいります。
 ふるさと納税につきましては、更なる寄附額増加に向け、本市ならではの返礼品の開拓や効果的なPRを行うなど、戦略的な取組を展開してまいります。
 田子の浦港の賑わいづくりにつきましては、ふじのくに田子の浦みなと公園と田子の浦港漁協食堂を繋ぐプロムナードゾーンの将来像を描くため、官民連携による活用方法等の検討に取り組むとともに、漁網倉庫跡地等におけるイベントの開催を支援する補助制度を創設いたします。
 また、ふじのくに田子の浦みなと公園において、イルミネーションを実施するなど、プロムナードエリアの魅力の向上に取り組んでまいります。
 農業振興につきましては、富士のほうじ茶の認知度向上を図るため、引き続き市内外でイベントを実施するほか、フランスにおける新たな販路拠点を確保するなど海外販路開拓を支援いたします。
 土地改良事業につきましては、富士川から農業用水を取水する施設である四ヶ郷頭首工において、県と協調し修繕に必要な機能診断を行い、工法を検討してまいります。
 また、農地中間管理事業を活用し、担い手農家への農地集積を推進するほか、浮島地区の用排水施設の改修を支援してまいります。
 林業振興につきましては、森林資源の循環利用のため、国が運営するJ?クレジット制度のプロジェクト登録を申請するとともに、適切な管理が進んでいない急傾斜地における森林整備を促進するため、「富士市造林事業補助金」の交付要件を拡充し、森林作業道の開設を支援いたします。
 また、富士ヒノキや製品ブランド「FUJI HINOKI MADE」の利用促進・販路開拓を図るため、今後の戦略的な事業展開を示すロードマップを策定するとともに、引き続き、ハウスメーカーなどの民間企業へのアプローチを積極的に行うほか、富士駅北口再整備の公益施設における富士市産木材の活用に向け検討してまいります。
 さらに、林業に携わる人材の育成や新規就業者の安定的な確保のため、仮想空間で木を伐採できる「VR林業体験」を市主催イベント等において実施するほか、引き続き県立農林環境専門職大学と連携を図ってまいります。
 中小企業等振興につきましては、Beパレットふじにおいて、引き続き他の産業支援機関と連携し、市内事業者等の課題解決や起業・創業、スタートアップ企業の更なる育成など様々な支援を行うほか、新たに課題設定型の伴走支援を展開し、企業の経営力向上に繋げてまいります。
 DX・テレワークの推進につきましては、BeパレットふじにDX・テレワーク推進センターとしての機能を付加するとともに、首都圏から新富士駅シェアオフィスに進出した企業等と連携し、中小企業等における人材確保に向け、採用方法のデジタル化を支援いたします。
 また、中小企業等におけるテレワークを含む多様な働き方を促進するため、職場のフリーアドレス化に対する補助制度を創設いたします。
 雇用及び就労への支援につきましては、人材アシストU?30の制度を拡充し、企業による代理返還を可能とするほか、日本学生支援機構以外の奨学金も補助対象といたします。
 また、引き続き学生と企業が交流できるイベントやハローワーク富士と連携した就職面接会を実施するなど、中小企業等の人材確保に繋げてまいります。 

 第6に『魅力を活かし人と人を繋ぐまち』を実現するための施策について申し上げます。
 まず、観光振興につきましては、本市の魅力発信と地域資源を活かした誘客促進を図るため、次期「富士市観光基本計画」を策定いたします。
 富士山活用の推進につきましては、大淵笹場において、季節や天候等にかかわらずいつでも富士山の眺望を楽しむことができるよう、富士山を背景とした写真撮影を可能とするカメラシステムや展望デッキなどを整備いたします。
 観光資源の活用につきましては、市民が主体となって企画・運営する富士まつりの開催に向け、各種団体等との更なる連携のもと、新たな体制で取り組んでまいります。
 また、旧藤田邸の利活用に向け、現在行っている実証事業の結果を踏まえ、飲食や物販事業の展開に必要な改修工事を実施いたします。
 観光インフラの整備につきましては、富士川楽座において、体験館どんぶらのリニューアルに向けた整備方針を検討してまいります。
 シティプロモーションの推進につきましては、次代を担う高校生が、本市の魅力や課題を認知し、まちづくりへの理解と共感を深めるため、学習に取り組んだ成果の発表の場として、本市独自の「(仮称)いただきへのはじまり 富士市高校生議会」を開催いたします。
 また、シティプロモーションキャラクター「さもにゃん」の着ぐるみや「ふじがちゃ」を様々な事業に活用するなど、本市の魅力と愛着を感じていただく機会を創出してまいります。
 さらに、本市で子育てすることの魅力や楽しみなどを伝えるSNS向けのCMを制作し、子育て世代やこれからの未来を築く皆様に発信してまいります。
 移住定住につきましては、進学・就職などにより県外に転出した本市出身者を対象に、出産や就園・就学などの節目でのUターンを促進するため、住居の移転や新生活にかかる費用の負担軽減を図る補助制度を創設いたします。
 また、テレワークの普及に伴い、東京圏からの移住者に限っていた「先導的テレワーク移住者支援補助金」の交付要件を、県外からの移住者に拡充いたします。
 さらに、引き続き、移住相談会、交流イベントの開催や、移住定住者の受け皿づくり等支援事業を実施することにより、地域全体で移住を応援する環境づくりを進めるとともに、市内外の大学生等を対象としたワークシェアの社会実装を支援することにより、大学生等が本市で活動する機会を創出してまいります。
 スポーツ交流につきましては、関係団体等との調整を図り、スポーツによる地方創生・まちづくりを推進する組織であるスポーツコミッション設置に向けた可能性調査を実施いたします。
 また、ふじさんめっせにおいて国内で初めてランバイクの世界選手権が開催されることから、国内外の参加者に対する本市ならではの記念品贈呈などのおもてなしにより、大会を盛り上げてまいります。
 国際交流につきましては、中国嘉興市との友好都市提携が35周年を迎えることから、記念式典等を本市で行うとともに、姉妹都市である米国オーシャンサイド市へ少年親善使節団の派遣を5年ぶりに再開し、両市の交流の絆を深めてまいります。
 また、東京2020オリンピック・パラリンピックレガシーの一環として、静岡招待スプリント選手権水泳競技大会へスイスの代表選手を招聘いたします。
 さらに、本年5月に神戸市で行われる世界パラ陸上競技選手権大会に出場するラトビアの代表選手の事前合宿を受け入れるとともに、今後の更なる交流を推進するため、本年夏に私自らラトビアのクルディーガ市を訪問いたします。

 第7に『快適な暮らしを続けられるまち』を実現するための施策について申し上げます。
 まず、都市計画につきましては、デジタル都市データを活用し、現況の用途地域と建築物の立地状況や、人口・産業の動向等に関する分析を行い、用途地域の見直し等に向けた検証を進めてまいります。
 また、南海トラフ巨大地震等の災害が発生した際に速やかな復興を図るため、「富士市立地適正化計画」に位置付ける誘導区域や防災指針等を踏まえ、「富士市事前都市復興計画」を改定いたします。
 土砂等の埋立てにつきましては、引き続き、定期パトロールの実施や、監視カメラ及びドローンの活用により既存の盛土状況等を監視し、新たな違反行為を防止するとともに、県と連携し、不適正な埋立て土砂を撤去するよう、違反事業者に対して粘り強く指導してまいります。
 市街地整備につきましては、富士駅北口の再整備を推進するため、再開発事業が本格化する組合に対して、再開発ビルの実施設計や権利変換に関わる手続などの支援を行ってまいります。
 また、駅前広場上空を活用し整備する公益施設の基本設計を実施するとともに、ブックアンドカフェやものづくりSTEAMラボ等の開設に向けた準備を進めてまいります。
 さらに、居心地が良く歩きたくなるまちなかを創出するため、引き続き社会実験エキキタテラスを官民協働で開催いたします。
 土地区画整理事業につきましては、新富士駅南地区において、柳島公園東側周辺街区の集団移転に着手し、計画的かつ集中的な基盤整備を行うほか、駅前商業地域の土地の高度利用促進に向けて取り組んでまいります。
 空き家対策につきましては、適正に管理されていない空き家を管理不全空家等として認定し、空き家所有者への助言・指導等に取り組むとともに、引き続き空き家問題を自分ゴトとして考えていただくよう周知・啓発を進め、空き家の発生予防や適正管理・除却、利活用を促進してまいります。
 公共交通につきましては、昨年7月に設立した「ふじMaaS推進協議会」が主催するセミナーやビジネスマッチング等の活動を通して、官民連携のもとMaaSの取組を推進してまいります。
 また、今月1日から開始したAIオンデマンド交通「のるーとふじ」の運行を継続するとともに、既存路線へのシステム導入を促進してまいります。
 さらに、自動運転バスの市内公道での実証運行を行うとともに、新富士駅・富士駅間への導入に向け、需要予測や想定ルート等を把握するための基礎調査を実施いたします。
 加えて、「富士駅周辺地区バリアフリー基本構想」に基づき、JR東海が行う富士川駅のバリアフリー化事業に対し支援してまいります。
 道路整備につきましては、富士川かりがね橋の受入道路である五味島岩本線「青葉かりがね通り」や、新東名高速道路へのアクセス道路である本市場大渕線の早期完成に向け、引き続き取り組んでまいります。
 また、自転車利用者が安全・安心で快適に走行できる環境を計画的に整備するため、「富士市自転車通行空間ネットワーク計画」の策定に着手いたします。
 さらに、国道139号西富士道路へのインターチェンジ新設に向け、国や県と具体的な協議を進めるため、測量及び予備検討を実施いたします。
 美しい景観の保全・創出につきましては、昨年7月に実施した屋外広告物の実態調査において、不適切な事例が多くみられた結果などを踏まえ、適正化に向けて指導を強化し、富士山の眺望と調和する良好な都市景観の形成を図ってまいります。
 公園・緑地につきましては、引き続き富士川左岸緑地や比奈公園のほか、新富士インターチェンジ周辺地区土地区画整理区域内の公園を整備してまいります。
 また、緑を取り巻く環境変化への対応のほか、グリーンインフラや生物多様性など、新たな視点を取り入れた緑化施策の方針を定めるため、「富士市緑の基本計画」の改定に着手いたします。
 安心で快適な住宅の確保につきましては、「富士市マンション管理適正化推進計画」に基づき、実態調査の実施やマンション管理士の派遣による組合立ち上げ支援に取り組むとともに、引き続き在宅テレワークに対応するリフォーム及び多世代の同居・近居のための住宅取得等を補助してまいります。
 また、市営住宅においては、富士見台団地C棟のエレベーター設置に向け、入居者の移転などを進めるほか、県住宅供給公社と連携し、適切な維持管理に取り組んでまいります。

 以上の各基本目標の施策、事業を展開し、めざす都市像の実現を図るに当たり、「SDGsの達成に向けた取組」と「デジタル変革を加速する取組」を推進してまいります。
 SDGsの達成に向けた取組につきましては、SDGsの普及・啓発を図るため、小中学校の総合学習等におけるSDGs学習への支援を拡大する とともに、SDGs共想・共創プラットフォームにおいて、大学生などによる取材を通じ、推進企業等の取組を広く発信いたします。
 また、「富士市SDGsプロジェクトエッグ応援補助金」により、フィンランドで行われている職業体験学習を参考とした新たなキャリア教育プログラムの試行を支援するとともに、引き続き市民や事業者のSDGs活動を後押ししてまいります。
 さらに、行政課題事項に対する事業者等からの協働提案に基づき、高齢者向け公共交通回数券の段階的なデジタル化事業を展開するなど、引き続き行政課題の解決を図ってまいります。
 デジタル変革を加速する取組につきましては、官民がオープンなデータを利活用できる環境の構築に向け、本市が保有する多種多様なデータを分析、可視化するツールを導入し、政策立案などに活用していくとともに、市民や事業者が利用できるよう公開してまいります。
 また、国が進める自治体情報システム標準化・共通化への対応や、富士宮市との共同電算システムの更新を着実に進めてまいります。
 
 次に、総合計画を横断的に推進するため、「質が高く柔軟な行政経営」と「持続可能な財政運営」に位置付けた取組を着実に実施することにより、限られた経営資源を効果的かつ効率的に活用し、財政の健全性を維持してまいります。
 質が高く柔軟な行政経営につきましては、執務環境の整備や業務の効率化を図るため、フリーアドレスの導入部署を拡大するとともに、来庁者が分かりやすく、利用しやすい市庁舎とするため、引き続き庁舎レイアウトの変更を行ってまいります。
 また、持続可能な土木行政の実現に向け、有為な人材の積極的な確保に努めるとともに、本年度策定する「富士市土木技術職員人材育成計画」に基づき、職員の更なる能力向上と技術力を有する人材の育成に取り組んでまいります。
 持続可能な財政運営につきましては、今後の厳しい財政状況や少子化、人口減少等、公共施設を取り巻く状況の変化に対応するため、施設の効率的、効果的な整備や総合的な管理運営を行う基本的な指針である「富士市公共施設マネジメント基本方針」の見直しに着手いたします。
 また、公金取扱業務において、デジタル技術を活用した公金収納を更に推し進めるため、市税等の口座振替利用促進について検討してまいります。
 さらに、公共料金の支払において、振込手数料の削減や支払事務の効率化を図る公共料金明細事前通知サービスを新たに導入するほか、公共施設の予約において、小中学校屋内運動場などを対象に、予約から支払までの手続をオンラインで可能とするシステムに更新いたします。

 続きまして、新年度の執行体制について申し上げます。
 変化する社会経済情勢に的確に対応するとともに、「第六次富士市総合計画」に位置付けた各施策を着実に推進していくため、組織の改正を行ってまいります。
 まず、福祉部におきましては、福祉部が所掌する指導監査及びこども未来部が所掌する業務のうちの教育・保育施設に係る指導監査を一元化し、より適正で効果的な指導監査に繋げるため、福祉総務課内に「福祉指導室」を設置いたします。
 環境部におきましては、簡易水道事業の市水道事業への統合を推進するため、環境総務課内に「簡易水道統合推進室」を設置いたします。
 産業交流部におきましては、交流推進関連業務の機動力の向上及び意思決定の迅速化を図るため、交流観光課内に「交流推進室」を設置いたします。
 中央病院におきましては、新病院建設事業の執行体制を充実強化するため、院長直属の「新病院建設準備室」を設置いたします。

 以上申し上げてまいりました各施策、事業を実行するため、
 令和6年度当初予算は、
 一般会計 1,018億円
 特別会計   538億5,260万円
 企業会計   380億5,630万円
 総計   1,937億  890万円 となりました。
 一般会計につきましては、総合体育館建設や富士駅北口再整備に係る事業費の増などにより、前年度と比較して95億円、10.3%の増で、過去最大の予算規模となります。
 歳入については、市税が、個人市民税の定額減税により減収となりますが、減税分は全額、特例交付金として補?されます。また、大規模事業の実施により、市債や国庫補助金の大幅な増加を見込んでおります。
 一方、歳出においては、高齢化の進行に伴う社会保障、医療関係経費の増嵩、老朽化が進む公共施設の改修にも多額の経費を要するなど、依然厳しい財政状況下での予算編成でありました。
 このため、業務活動レビューの実施による歳出削減を確実に実行するとともに、全ての事務事業を対象とした成果・効果に基づく検証の徹底により財源を捻出し、「生涯青春都市 富士市」の実現に向け、少子化対策に関連する取組などに重点を置き、予算編成を行ったものであります。



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