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学校訪問や語る会等、教育委員の研修について紹介します。
地方分権が進展するなか、教育委員会にはより一層の自立性や独自性が求められています。富士市教育委員会では、国や県の動向を踏まえ、富士市ならではの魅力ある教育を推進するため、今日的な教育に関する課題や教育の実態をテーマとした教育委員の研修会を積極的に実施しております。また、その一環として、学校訪問も積極的に行い、授業参観や地域の方・保護者、教職員との懇談などを通じて、現場の状況把握にも努めております。本年度も引き続きふじの教育の充実をめざし、教育委員研修会を実施いたします。
また、教育委員研修の内容や移動教育委員会の様子をウェブサイトで公開し、教育委員会の活動を市民の皆様へ御理解いただく機会としたいと考えております。
11月19日(火曜日) 静岡県立吉原林間学園を視察しました
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教育委員会では、教育委員研修の一環で教育関係機関の視察を毎年実施しています。
令和6年度は、静岡県立吉原林間学園を視察し、本年度2回目の移動教育委員会会議を同園の会議室にて開催しました。
吉原林間学園は、昭和37年、全国で2番目の情緒障害児短期治療施設(2017年に児童心理治療施設に名称変更)として富士山南麓に創立され、今年で62周年を迎える施設です。児童心理治療施設は、家庭環境、学校における交友関係その他の環境上の理由により、社会生活への適応が困難となった子どもを短期間入所させ、社会生活に適応するために必要な心理に関する治療及び生活指導を行う施設です。
令和元年に大淵から現在の場所(厚原)に移転し、施設内に診療所が新設されました。
学園の施設内には大淵第一小学校、大淵中学校の分教室が併設され、主に富士市の教員と研修交流の富士宮市や静岡県特別支援学校の教員が学習指導に当たっています。
最初に吉原林間学園の治療指導課長、学習部教頭から、概要説明をいただきました。
治療指導課長からは、子どもたちの背景には様々なものがあるが、その心のケアのために「安全で安心した生活が毎日ある」ことを大事に、生活中心の養育を行っていることを伺いました。
学園には「自分を大切にする」「他人を大切にする」「物を大切にする」等の5つの約束があり、子どもたちが入所する時に、必ず約束をするそうです。学園で、のびのびと安心して過ごすことで、自分のことも、周りのことも大切にできる子どもに育ってほしいと願い、多職種(心理士・指導員・教員・保健師・児童精神科医・栄養士・総務課職員)によるチーム支援を行っていることを伺いました。
学習部教頭からは、子どもたちに共感的に関わることを大切にしながら、きめ細かな支援を行っていることを伺いました。生活経験が不足しがちな子どもたちのため、校外学習・体験学習の充実を図っていることや、様々な理由により学習空白がある子どもたちに、基礎的な学力を育成するための時間を設けていること等も伺いました。
分教室では、小学部と中学部の学習指導を、教頭を含む11名の教員が担当していますが、個別に対応が必要な場面もあり、人手が不足しているという御苦労も伺いました。
その後、授業参観、施設視察を行いました。施設視察では、カウンセリングルームや家族療法室、子どもたちが生活するリビング・ダイニング、居室等を見学させていただきました。
6月19日(水曜日) 青葉台小学校で「教職員と語る会」を実施しました
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令和6年6月19日(水曜日)に、教育委員の学校訪問及び「教職員と語る会」を、青葉台小学校において開催しました。
青葉台小学校は、富士市の北側にあり、青葉台地区の中に平成10年4月に創立された富士市内で一番新しい小学校です。現在、学級数は普通学級18学級、特別支援学級が2クラス、合計20クラスであり、514人の子どもたちが学んでいます。青葉台小学校の重点目標は「にこにこ わくわく」であり、うれしいときや楽しいときに心から湧き上がる「にこにこ」、夢中になって活動したくなる「わくわく」、そんな子どもたちの姿がたくさん見られるよう、教育活動が行われています。
当日は、5時間目の授業を参観させていただきました。初めに参観した3年生の音楽の授業では、子どもたち同士の心が共鳴し合い、お互いに響き合って、歌うことを心から楽しんでいる姿が見られました。また、4年生の道徳の授業では、「ルールはなぜ必要か」について、子どもたち一人一人が自分の考えを語り合う姿が見られました。どの学級でも、子どもたちが伸び伸びと学びに向かい、先生方も楽しんで授業をしていました。
教育委員会会議6月定例会後には、「教職員と語る会」を実施しました。テーマを「やりがい・働きがいのある学校づくり」とし、校長先生をはじめ、先生方から、それぞれの立場から考えていることをお話していただきました。
多くの先生方が仕事のやりがい・働きがいとして語っていたのは、「子どもたちの成長した姿、できることが増えた姿を見られたときがとてもうれしい」「子どもたちの夢中に学ぶ姿、“にこにこ・わくわく”な表情を見たときに、やってよかったと思える」など、子どもたちの成長する姿についてでした。子どもの成長を支えることができることが喜びであり、働くことのモチベーションにつながっていることを伺いました。
他にも、子どもや保護者、先生方との良好な関係を築いていくことを大切に考えて仕事をしていることや、SDGsの学習等で専門家を招いて行う出前授業が魅力ある授業につながっていること、先生方同士で授業づくりについて自主的に研修する中で、自身の教育観や授業観をアップデートすることがやりがいにつながっていることも語られました。
教育委員からは、先生方の非常に前向きな話を聞くことができ、うれしくなったという話がありました。
一方、教育委員から先生方に対し、やりがいの裏にある苦労について質問がありました。GIGAタブレットなど、増え続ける新しい業務への対応や、教員の長時間労働、またメンタル面で大変なときの対処方法等について話題に上がりました。
業務を改善するための策として、会議等でタイマーを使い、常に時間への意識をもてるようにしていることや、子どもたちとの時間や授業準備を確保できるよう、掲示板などのデジタルツールを使って情報共有し効率化を図ること、教科担任制を導入し、授業準備の時間を短く深くできるようにするだけでなく、チーム青葉台小として全職員で青葉台小の子どもたちを育むことができるようにしていることなどを伺うことができました。
教育長からは、先生方一人一人がしっかりとした「やりがい・働きがい」をもって、教職の仕事をしていることを聞き、感銘を受けたことが伝えられました。また、仕事で困難があったときに、支えとなるのが仲間の力であると考えているが、青葉台小学校の先生方には非常によい関係性ができていることに対し敬意を表したいと伝えられました。
また、併せて自分自身の時間も大切にしてほしいことが伝えられました。多様な子どもたちに寄り添い、受け止めるためには、自分自身が多様性をもっている、柔軟さをもっていることも必要であり、自分のために使う時間も大切にしながら、より魅力的な先生、魅力的な学校を作っていってほしいとの助言がありました。
今回の教育委員研修では、授業参観や、先生方からのお話を伺う中で、「教師のやりがい・働きがい」「ワークライフバランス」「業務改善」等について考え合うことができ、今後の教育行政を推進していく上で大変貴重な機会となりました。
青葉台小学校の児童・教職員の皆さん、本当にありがとうございました。
1月23日(火曜日) 富士南中学校で「地域の方と語る会」を実施しました
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令和6年1月23日(火曜日)に、教育委員の学校訪問及び「地域の方と語る会」を、富士南中学校において開催しました。
富士南中学校は、かつての富士飛行場があった所にあり、昭和36年に創立され、富士南小学校と富士第二小学校を学区としています。校訓は小川未明さんの詩「雲のごとく高き 雲のごとく輝き 雲のごとくとらわれず」です。小中一貫教育目標「やさしく 生きる」の理念を大切にしながら教育活動を推進しています。
新幹線が間近を通る富士南中学校では、修学旅行に行く3年生が乗車している新幹線を見送ることが、昭和51年から続く恒例行事となっています。
開校した当時、田んぼや畑が多かった学区は、新富士駅開業とともに発展し、今では富士南中学校は、市内で最大規模、県内でも有数の大規模な中学校となりました。令和5年度は生徒数772人、学級数は28クラスです。
当日は、5時間目の授業を参観させていただきました。富士南中学校の授業づくりは、研修主題を「対話を通じて仲間と共に考えを深める生徒の育成」としています。どの学級でも、生徒たちが共に協働的に学び、主体的に学ぶ姿が見られました。友達と課題についての意見や疑問を相談し合い、自分の考えをじっくりと考え、深めながら学ぶ姿が印象的でした。
教育委員会会議1月定例会後には、「地域の方と語る会」を実施しました。テーマを「学校と地域との連携について」とし、学校運営協議会の皆様から、それぞれの立場から考えていることをお話ししていただきました。
地域の方からは、日頃から地域でも「やさしく生きる」ことが生徒たちに根付いていることが語られました。困っている人がいたらさっと助けたり、挨拶運動をしている方やドライバーにおじぎをして感謝を表したり、普段から人を思いやること、周りの人を大切にする姿が多く見られることが語られました。
また、防災訓練などでは、「地域の一人として、中学生や小学生にも防災の担い手として期待している。」との意見がありました。新型コロナウイルス感染症流行前は、地区の防災訓練で、中学1年生は班長を手伝いながら黄色いハンカチを数える、2年生は炊き出しを行う、3年生は防災ポンプを使っての消火活動をするなど、役割を決めて訓練を行っていて、非常時には、中学生の活躍が期待されています。そのため、学校でも防災教育に取り組んだり、地域の防災訓練への参加を促したりしてほしいとの話もありました。
他にも、「子育ては地域で」だけではなく、「家庭も一緒に」という姿勢を大切にしたいとのご意見もありました。コミュニティ・スクールとして、学校・家庭・地域が協働して「やさしく生きる」富士南中生を支えていくことが大切であることを共有しました。
教育委員からは、「やさしく生きる」ことが、地域にも根付いていて、それが地域の課題等に様々な面でいいスパイラルを生んでいると話がありました。また、令和6年4月からの小中一貫教育完全実施に関し、「富士南中学区 小中一貫教育ビジョン」をみんなが知っていることが大切であること、そのための情報の発信や家庭との共有が非常に大切になるとの話がありました。
教育長からは、富士南中学校で息づいている「やさしく生きる」姿は、学校の100メートル四方の敷地の中だけで育つものではなく、外に出て、地域の方々との触れ合いを通して育まれるものであるとの感想が述べられました。中学生が地域の中で、その姿を地域の方に認めてもらったり、時には「ありがとう。」と言葉を掛けてもらったりというふれ合いの中で「やさしく生きる」姿が育まれていくことが語られました。また、これからのコミュニティ・スクールの在り方については、学校が地域の方にボランティアに入っていただき、地域の方に支えていただくばかりではなく、学校の子供たちが積極的に地域の中に出ていき、地域の求めや課題を認識しながら活躍していくような双方向の関係が大切であること、それが双方の幸せであり、ウェルビーイングにつながっていってほしいとの願いが述べられました。
今回の教育委員研修では、地域の方々からのお話を伺う中で、これからの「地域とともにある学校」について考える大変貴重な機会となりました。
富士南中学校の生徒・教職員の皆さん、学校運営協議会の皆さん、本当にありがとうございました。
11月21日(火曜日) 静岡県立富士特別支援学校富士東分校を視察しました
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教育委員会では、教育委員研修の一環で教育関係機関の視察を毎年実施しています。
令和5年度は、今年4月に開校した静岡県立富士特別支援学校富士東分校を視察し、本年度2回目の移動教育委員会会議を同校の集会室にて開催しました。
富士東分校は、今年4月、富士特別支援学校の2校目の分校として、富士東高校に併設する形で開校しました。現在は第1期生の高等部1年生15人が在籍し、学んでいます。
最初に、森田教育長と、教育委員、事務局職員らが保健体育の授業を参観しました。授業参観では、生徒たちがテニピン(テニスと卓球とバドミントンを組み合わせたゲーム)に取り組む様子を見学しました。
施設視察では、作業室を訪れ、生徒たちの紙バンド製品などを鑑賞しました。
その後、副校長の山﨑先生から富士東分校の概要について説明を受けました。
共生・共育推進の三本柱として、「富士東高校とともに」「富士特別支援学校(本校・富士宮分校)とともに」「地域(人材)とともに」を掲げ、共生社会形成に向けた取組を進めていることや、中でも富士東高校の生徒とは、障害の有無にかかわらず、「富士東」で学ぶ仲間として、高校生同士が織りなす交流を深めていることを伺いました。
高等部主事の岩附先生からは、開校式の様子や富士東高校の文化祭「東雲祭」での交流、作業学習や地区の文化祭での活動等、4月から11月までに行ってきた様々な教育活動についてのお話を伺い、生徒たちが地域の中で活動したり、温かな交流をしたりしている様子をVTRで視聴させていただきました。
今回の研修では、高校と物理的な境がなく同じ校舎内で学ぶ、県内初の特別支援学校の分校として「高校生同士の言葉で・高校生同士の空気間で」共生・共育を推進している具体を見学することができ、今後の教育の在り方について考える大変有意義な研修となりました。
6月20日(火曜日)東小学校で「教職員と語る会」を実施しました。
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令和5年6月20日(火曜日)に、教育委員の学校訪問及び「教職員と語る会」を、東小学校において開催しました。
東小学校は、富士市の東側にあり、沼津市との境に接する浮島地区の中に、昭和31年4月に創立された小学校です。地域住民の熱い思いと多大な協力により、開校当初から地域と連携した「地域とともにある学校」であり、本年度は創立から68年目を迎えました。現在、学級数は6学級、1クラスの人数が6?12人であり、児童数は52名と富士市で最も児童数の少ない小規模校となっています。
東小学校が属する須津中学校区(須津中、須津小、東小)では、3校共通の目指す子ども像を「たくましい子」とし、3校の教職員が一丸となって子どもを育てる取組を進めています。また、東小学校の学校教育目標は「たくましく 挑戦する子」であり、地域の特性や小規模校のよさを十分に生かしながらも、「夢中になって、生き生きと、粘り強く、失敗を恐れず、自分で考えて行動する子」の育成を目指した教育活動が行われています。
当日は、5校時の授業を参観させていただきました。東小学校の授業づくりでは、研修主題を「伝え合い 聞き合う子 ? 夢中になって学ぶ・生き生きと表現する ? 」としています。どの学級にも、温かな空気が流れ、皆が自分の考えや思いを安心して口々につぶやくなど、子どもたちが夢中になって学習に取り組んでいました。先生方は子どもたちの言葉や思いに耳を傾け、丁寧に受け止めるなど、一人一人に寄り添いながら授業を進めていました。
教育委員会会議6月定例会後には、「教職員と語る会」を実施しました。テーマを「東小学校の強みと学校の役割」とし、校長先生をはじめ、先生方から、それぞれの立場から考えていることをお話していただきました。
教職員の方からは、東小学校の強みとして、地域の方がとても温かく学校に対して協力的であることが一番に挙げられ、「地域とともにある学校」である具体的な話をしていただきました。生活科や田植えの学習など、地域の方のご協力があって子どもたちが豊かな体験活動を行うことができていること、子どもたちに対し、地域の方がどの子も同じように「地域の宝」として声を掛け、温かく育んでくださっていること、また地域の方も子どもたちから、喜びや元気をもらっていることなど、「子どもも地域も教職員もウェルビーイングのために努めていくことが東小の学校の役割である」と伺うことができました。
また、「少人数を生かし、子どもたちの思いや願いに寄り添い、授業をしたり支援をしたりすることができる」とのお話がありました。授業においても少人数だからこそ、子どもたち一人一人の様子を把握し、子どもたちの願う学びを、教師が伴走しながら一緒につくることができるとのことでした。また、少人数でアットホームだからこそ、個々への支援を充実することができ、楽しいこと、やりたいこと、自分が伸ばしたいところを子どもたちが出したとき、そこにしっかりと向き合っていけることが東小の強みであると伺いました。
教育委員からは、本当に心が温まるような授業風景であり、「どの子も取り残さない」という単語がこの東小学校にあることを感じ、非常に感銘を受けたとの話がありました。一方で、小規模校で、守られた環境で過ごした子どもたちが、中学校へ進学する時にそのギャップに驚いたり、戸惑ったりするのではないかという「中1ギャップ」を心配する話もありました。
中1ギャップを軽減するための取組として、昨年度から小学校6年生の悩みに須津中生が答える「教えて先輩」の取組や、今年度は須津小の仲間と交流する体験を1年生から重ねていくことを通して、子どもたち同士のつながりをつくり、不安解消に努めていることなどを伺うことができました。
教育長からは、生き生きとした子どもたち、先生たちの教育推進にかける思いを聞かせていただき、テーマであった「東小の強み」が十分に伝わってきたとの話がありました。また、富士市は義務教育9年間を通して目指す子ども像に近づけていく小中一貫教育を推進しているので、須津中学区3校が目指す「たくましい子」の育成のために、東小ならではの強みを最大限に活用し、子どもたちが多様な考え方に触れる機会を積極的に設け、新しい価値観を見出す力を育てていってほしいと話がありました。
今回の教育委員研修では、授業参観や、先生方からのお話を伺う中で、「特色を生かす学校教育」や「地域とともにある学校」「9年間で子どもたちを育てていくこと」について、参観したりお話を聞いたりすることができ、今後の教育行政を推進していく上で大変貴重な機会となりました。
東小学校の児童・教職員の皆さん、本当にありがとうございました。
1月20日(金曜日)富士川第二小中一貫校 松野学園で「教職員と語る会」を実施しました。
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令和5年1月20日(金曜日)に、教育委員の学校訪問及び「教職員と語る会」を、富士川第二小中一貫校 松野学園において開催しました。
富士川第二小中一貫校 松野学園(以下「松野学園」と呼びます。)は、令和4年4月に、富士市立富士川第二小学校と富士市立富士川第二中学校からなる、富士市初の施設一体型小中一貫校として開校した学校で、現在、小学部の児童数316人、中学部の生徒数174人、学級数21の学校です。
松野学園では、同じ施設・校舎で小学生から中学生までが一緒に生活をする環境や、小学校と中学校の教職員が同じ場所にいる環境を生かし、義務教育9年間を一体的に捉え、子供の育ちを切れ目なく支援していく小中一貫教育が推進されています。また、松野学園が開校する以前の平成27年度から、富士川第二小学校及び富士川第二中学校において、コミュニティ・スクールとして地域とともにある学校づくりに取り組んでおり、「たての接続」と「よこの連携」を基軸として小中一貫教育が進められています。義務教育9年間で目指す子供像を「夢を語れる子」とし、発達段階に応じた「4-3-2制」を生かした特色ある行事や、学びの系統性・連続性を重視した授業を通じて、自己肯定感・自己有用感を育む教育が行われています。
当日は、第5校時の授業を参観させていただきました。7年生(中学1年生)の教室では、アフリカ諸国についての学習を、子供の興味・関心を引くような教師の発問をきっかけに、子供たちが主体的に意見を述べ合うことを通して進められている様子を参観させていただきました。また、中等部(5年生?7年生)のフロアには、小学生と中学生が学習を通して交流を深めている様子が分かる学習の足跡が掲示されていて、施設一体型の利点を生かした教育が推進されている様子を伺うことができました。
教育委員会会議1月定例会後には、教職員と語る会を実施しました。テーマを「施設一体型による小中一貫教育の推進」とし、校長先生をはじめ、代表の先生方から、それぞれの立場でのテーマに迫る取組等についてお話をいただきました。
教務部からは、小学部の教員が中学部の生徒に対して、逆に中学部の教員が小学部の児童に対して授業を行う「乗り入れ授業」が、日常的に行われているとの紹介がされました。乗り入れ授業によって、中学部の全学級において、当該教科の免許を有している教員による授業が実施できることや、小学部の5、6年生に対して、より専門的な教科の授業が実施できることといった、乗り入れ授業のメリットを最大限に生かせる環境であるとの話がありました。
連携推進員からは、松野学園の開校に至るまでの、小学校と中学校の先生方が取り組んできた会議の様子や、会議を通して先生方が同じ目標に向かって活動するための工夫、学校同士をつなぐ役割の重要性等についてお話しいただきました。また、小中一貫教育に取り組み始めた頃は、答えのない中、先生方同士が協力し合い、試行錯誤しながら、少しずつ前に進んだ様子が語られました。
学年団の代表として参加された中等部の先生からは、小学生と中学生の両方が所属する中等部(5年生?7年生)の取組が紹介され、小学生と中学生が一緒に行事に取り組んだ様子が紹介されました。また、小学校と中学校の教員が一貫した支援に当たっているので、7年生においていわゆる「中1ギャップ」(環境や教員の支援の大きな変化に伴い、中学1年生で顕在化しやすい不登校や問題行動)がほとんど無いといった話も伺い、施設一体型のメリットを生かした教育活動が展開されている様子を伺うことができました。
教育委員からは、施設一体型小中一貫校という環境を十分に生かしながら、子供たちが生き生きと活動できる行事や、日頃の授業を実施してくれている先生方への感謝の言葉が伝えられました。また、今後実施する市内全小中学校での小中一貫教育に向けての思いなどが語られました。
最後に教育長からは、施設一体型で実施する小中一貫教育のメリットが、子供の具体的な姿から感じることができたことや、先生方の授業の様子や話の内容から、小中一貫教育の意義をしっかりと捉え、自校の教育をさらに発展させていきたいという思いが溢れていたこと、課題に対して真摯に向き合ってこられたことなどへの感謝の言葉が述べられました。
また、令和6年度から始まる、市内全小中学校での小中一貫教育を力強く推進していくために、松野学園が先行実施している小中一貫教育の成果をしっかりと生かしていきたいとの思いが伝えられました。
今回の教育委員研修では、授業参観や、先生方からのお話を伺う中で、小中一貫教育の実際の場面に触れることができ、今後の教育行政を推進していく上で大変貴重な機会となりました。
松野学園の児童・生徒・教職員の皆さん、本当にありがとうございました。
6月21日(火曜日)富士市立富士見台小学校で「地域の方と語る会」を実施しました。
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本年度第1回目となる教育委員の学校訪問並びに「地域の方と語る会」を、富士見台小学校において開催しました。
富士見台小学校は、当時増大する富士市の人口を支えるために造成された富士見台団地の中に、昭和52年4月に創立された小学校です。本年度は創立から45年目を迎え、現在、学級数は14学級、児童数は295名となっています。富士見台小学校が属する吉原北中学校区(吉原北中、神戸小、吉永二小、富士見台小)では、本年度から小中一貫教育導入に向けて、4校共通のめざす子ども像を「自分で考えて行動」「最後までチャレンジ」「自分も大切 あなたも大切」とし、4校の教職員が一丸となって子どもを育てる取組を進めています。また、富士見台小学校の学校教育目標は「自分で考え 共に 挑戦する子」であり、子どもたちの自主性・主体性、思考力・判断力・表現力、協調性・思いやりや根気強さなどの資質・能力の育成を目指した教育活動が行われています。
富士見台小学校の授業づくりでは、研修主題を「考える力を育てる授業」とし、授業で友達の考えを自分の考えと比べながら聴いたり、自分の考えを相手に分かりやすく伝えたりしながらつなげていくことで、最後には自分の考えをさらに深めることを目標にしています。当日、第5校時に実施した授業参観では、どの学級もとても落ち着いた雰囲気で、学習課題に対する友達の意見を真剣に聴いたり、自分の考えをみんなの前で堂々と伝えたりしている子どもたちの姿が見られました。また、ある学級では、子どもたちが自分なりに考えた学習課題の解決方法について、学級のみんなで吟味している場面を参観させていただきました。自分の考えと比べながら同じところを見つけて「僕と同じだ。」と嬉しそうに言っている子どもや、納得がいかずに何でだろうと首をひねっていた子どもが、相手の意図を掴んだ瞬間に「あっそうか。」と顔がパッと明るくなった瞬間など、それぞれが協働的な学びの中で自分の考えを深めている様子が伺えました。
教育委員会会議6月定例会後には、「地域の方と語る会」を実施しました。テーマを「地域とともにある富士見台小学校のみらいについて」とし、富士見台小学校の学校運営協議会会長をはじめ、学校運営協議会委員の代表の方々から、地域とともにある富士見台小学校の様子や、富士見台小学校の「みらい」についてのお考えをお話しいただきました。
まず、富士見台小学校創立当初から現在に至るまでの富士見台地区や富士見台小学校の様子について話題になりました。富士見台団地ができた当初は、人々が様々なところから移り住んできたため、旧知の友人がいなく、そのため必然的に人を求めていたことや、その中で学校や子どもたちへの支援をきっかけに人々がつながっていったことが語られました。また、6年前の「未来の学校『夢』プロジェクト」(静岡県教育委員会指定事業)をきっかけに、様々な学校支援を行う「チーム富士見台」を発足させ、教育環境の整備や学習支援の充実に取り組まれてきたことや、サポーターの活動を通して、地域住民と子どもとの距離が近くなり、学校を離れたところでも挨拶などの交流が行われているとのお話がありました。
次に、富士見台小学校の今後の姿についての話題では、サポーターたちの年齢も高齢化していく中で、どのように子育て世代の方々にもサポーター活動に入ってもらえばよいかという持続可能性に関する課題や、子どもたちがきれいな環境で生活したり、見守り支えられながら生活したりしていることに対して、どのように受けとめて、どのように地域に返していくかといったことが話されました。
お話を伺った教育委員からは、愛情を注がれて見守られながら育った子どもが大人になり、親になった時に、自分がしてもらったように子どもたちにしてあげたいという思いを抱くのではないかといったことや、サポーターが行っている支援活動を広く広報していくことでさらに認知が広まり、活動に参加してくれる人も増えるのではないかといった感想が述べられました。
最後に教育長からは、「富士見台小学校の子どもたちは、本当に地域の方々から愛されて、学校も皆さんから支えられて、その温かな環境の中で富士見台小学校の教育活動が営まれていると、改めて実感いたしました。心から感謝と敬意を表します。」と、サポーターである地域の皆様に対して、感謝の意が伝えられました。さらに、「学校とサポーターとのパートナーシップのもと、美しい環境で育った子どもたちは、将来きっと美しい生き方ができる人に育つだろう。その時になって、子ども時代に受けたサポートの本当のありがたさを実感し、さらにその思いを今度は自分がサポーターとして活動しようという思いにつながるのではないか。」といった感想が述べられました。
今回の「地域の方と語る会」では、日頃から学校を支援してくださっている方々の思いや、これから先の学校に対する期待や課題意識について生の声を伺うことができ、今後の教育行政を推進していく上で大変貴重な機会となりました。
富士見台小学校の児童の皆さん・先生方、地域の皆様方、貴重な時間をいただきありがとうございました。
12月21日(火曜日)富士市立岩松北小学校で「教職員と語る会」を実施しました。
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本年度第2回目となる教育委員の学校訪問並びに「教職員と語る会」を、岩松北小学校において開催しました。
岩松北小学校は、平成元年4月に、地域の都市化に伴い、当時の岩松小学校の児童数増加に対応する形で設立されました。現在は学級数24、児童数651名の学校です。学校が立つ地は、上堀・中堀等の水路が作られ、稲作の盛んなところであり、また、岩本山一帯に広がる茶園は県下有数の茶処として有名であります。
本校は、目指すべき子ども像として「主体的に考え行動する子」、学校教育目標として「あたらしい自分をつくっていく ぼく・わたし」を掲げ、思いやりあふれる温かい環境の中で、人権感覚や自己肯定感、自己有用感等を育み、子ども自身が積極的に自分の夢や希望を思い描き、その達成に向けて前向きに生活していくことを目標に教育活動が行われています。また、生活科及び総合的な学習の時間(「けやき学習」)を中心に、ESD(Education for Sustainable Development:持続可能な開発のための教育)やSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)を意識した取組が行われ、「はじめに子どもありき」の精神で、子どもの主体性と学ぶ必然性を大事にした授業が行われています。
当日は、第5校時の授業を参観させていただきました。「けやき学習」を行っていた学級では、子どもたちがそれぞれの課題解決のために、タブレットを使った情報収集や、グループになって意見交換をしたり、考えを深めたりしていく場面を見ることができました。自分の課題解決に向けて生き生きとした表情で学習に取り組んでいて、参観者一同、温かい気持ちになりました。
教育委員会会議12月定例会後には、教職員と語る会を実施しました。テーマを「持続可能な社会の創り手を育む学校教育」とし、校長先生をはじめ、各部長や学年主任の先生方から、それぞれの立場でのテーマに迫る取組等をお話しいただきました。
本校の教育活動の特徴でもある「けやき学習」では、子どもの思いや主体性を大事にするため、学級ごとに魅力あるテーマ設定を行い、課題研究を行っていく学級総合というスタイルが採られていることの紹介がありました。この学級総合は、学級づくりの要素も含めながら『それぞれの物語を紡いでいく』といった言葉で表現され、毎年の子どもたちと先生の出会いの中で、その年にしかできない学習が展開されているとのことでした。「けやき学習」を通して、子どもたちは「自分には何かができるかもしれない。」「何かを変えていける力があるかもしれない。」という思いを持つようになり、そのことが自己有用感の高まりにつながっているのだと感じました。1年生の生活科では、何色の花が咲くのかなと疑問をもちながら朝顔を育て始め、つぼみが出てくると、数を数えるという活動が生まれ、それが算数の学習につながっていったり、国語で習ったひらがなを使って観察カードを書いたり、花を使った色染めなどにも発展していったりしたといった、授業の具体についてもお話しいただきました。単に朝顔を育てるということだけに留まらず、人との関わり、自然との関わり、そして特に自分自身と教材との関わりということを意識して進められており、そのような関わりを教師側が意識することで、子どもたちの経験を積み重ねていき、やがて大きくなった時には、自分から関わっていく子どもになっていくのだと思いました。その他にも、5年生や特別支援学級の取組も紹介され、それぞれの学年や学級ごとに、子どもの発達段階に応じた適切な活動を行っている様子が伝えられました。
さらに、様々なところで子どもの主体性を育むための取組が行われていることも紹介されました。例えば、日課の工夫としては、多くの学校で設定がある「そうじの時間」というものが無いとのことでした。掃除をしないということではなく、子ども自身がその時間に、学校のどこが汚れているかや、どうやってきれいにしようかといったことを考えられるように工夫をしているとのことでした。子どもの主体性を育むためには、主体性を発揮できる場や時間が必要になります。その場や時間の設定を大切にしているとのことでした。また、特別活動や生徒指導、保健体育指導等の場においても同様に、子どもの主体性を育むことを主眼に置いているとのことでした。
教育委員からは、「けやき学習」を中心としたESDを意識した取組や、子どもの主体性を育むための取組について、子ども目線に立って、子どもたちに何が必要なのかといった視点で実践が行われていることを、授業参観や語る会で見聞きし、非常に感銘を受けたとの話がありました。
教育長からは、「けやき学習」で培われた主体性や協働性が、他教科等の中でも効果を発揮したり、他教科等の中で学んだいろいろな知識等が、「けやき学習」の中で生きて働く力となったりしているところが、岩松北小学校の実践の素晴らしいところであるとの話がありました。また、個別最適な学びと協働的な学びという両輪で、それぞれの学びを一体的に充実し、これからは仲間と深め合いながら新たな価値観を生み出していくということが求められていくので、ぜひ新たなる教育活動へと進んでいってほしいという話がありました。
今回の教育委員研修では、授業参観や、先生方からのお話を伺う中で、学校現場におけるESDやSDGsの推進の具体に触れることができ、今後の教育行政を推進していく上で大変貴重な機会となりました。
岩松北小学校の児童・教職員の皆さん、本当にありがとうございました。
6月22日(火曜日)富士市立吉原第一中学校で「地域の方と語る会」を実施しました。
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本年度第1回目となる教育委員の学校訪問並びに「地域の方と語る会」を、吉原第一中学校において開催しました。
吉原第一中学校は、昭和22年に当時の吉原町立吉原中学校として設立され、昭和41年11月の市町合併に伴い富士市立吉原第一中学校となり、現在は学級数21、生徒数602名の学校です。本校は、校区内の吉原小学校と伝法小学校の2校と足並みを揃えて小中一貫教育導入に向けた取組を推進しており、校区3校共通の学校教育目標である小中一貫教育目標を「あこがれ チャレンジ 笑顔」とし、特別な教科道徳を筆頭に、吉原第一中学校区の子どもたちの小中9年間の成長を見通した教育課程の編成に向けて取り組んでいるところです。また、本校独自の重点目標として「わたしも大切 あなたも大切」を掲げ、自分はもとより友達・他者も大切にできる子どもになってほしいという願いのもと、日々の教育活動が行われています。さらに「生徒が主役の学校づくり」にも力を入れ、子どもの自律力の育成を目指した教育活動が行われています。
当日は、第5校時の授業を参観させていただきました。多くの学級においてGIGAスクール構想に基づき昨年度末に導入されたタブレットを活用しながら授業が行われていました。学習課題を共有する場面や、個人の意見や考えを深める場面、友達の意見や考えを知る場面、全体で学習課題の解決に向かっていく場面など、1時間の授業の中での様々な場面においてタブレットを活用し、子ども一人一人がよりよく、主体的に学習を進めていこうとする姿が見られました。
教育委員会会議6月定例会後には、地域の方と語る会を実施しました。テーマを「中学校におけるコミュニティ・スクールの現状と課題」とし、吉原第一中学校の学校運営協議会会長をはじめ、委員の代表の方々から、中学校におけるコミュニティ・スクールへの思いや考えについてお話しいただきました。
中学生と地域住民との関わりについては、コミュニティ・スクールの委員として、地域住民として、中学生に対して何かしてあげたいという強い思いを持っている一方で、どのような形で中学校に入ったり、中学生に関わったりすればいいのかということに悩む場面があることや、中学生がどのようなことを望んでいるかを掴むことが難しいといった課題も語られました。また、それらの課題に対して、地域にあるボランティア組織やジュニアリーダー活動等を通して、中学生が地域の住民と一緒に活動する中で、双方に関わり合うきっかけにしたいといった意見や、そのような場の活用について、学校運営協議会で協議や情報交換を行っていきたいといった意見が出されました。
校区内の吉原小学校と伝法小学校の学校運営協議会とのつながり・連携については、小中一貫教育推進の動きに呼応する形で、地域としての子どもたちや学校への支えも9年間をひとまとまりと考え、継続性のある支援を行っていくことが重要であり、その際に学校運営協議会同士が緊密に連携し合っていくことの必要性についても語られました。連携していく方法としては、コロナ禍以前は、3校合同での学校運営協議会が年に2回実施され、その中で委員同士のディスカッションが活発に行われたことが連携につながっていたことから、再び集まれるようになったら続けていきたいといった話が出ました。また、複数の学校運営協議会委員を兼任している委員もいることから、そのような方を中心に、連携を深めていきたいといった意見も聞かれました。さらに、3校のPTA組織同士は、もともと連携し合ってきた組織であるので、PTA役員を経験した方が、その後に学校運営協議会の委員になっていくことで、そのつながりを生かしながら学校運営協議会同士の連携にも寄与できるのではないかという意見や、学校運営協議会委員を引退した方々のつながりも生かすための、後方支援組織のようなものがあるとよいといった意見が出されました。
最後に教育委員会を代表して教育長からは、「Society5.0時代を生きる子どもたちにとって、新しい価値を創造していく力が必要とされているが、これはこれまで育ってきた中で身に付けてきた価値や考え方を他者とぶつけ合う中で生まれてくるものや、学校の中だけでの学びではではなく、地域の人々(様々な他者)との関わり合いから得られるものがある。そのために、このコミュニティ・スクール制度は大変有効である。」との認識が伝えられました。また、校区内の吉原小学校と伝法小学校の双方の学校運営協議会がもつ素晴らしい価値観を融合させる中で、吉原第一中学校の学校運営協議会としての新たなる価値観を創造していくことが重要であることや、このことが委員の皆さんが大切にしている「つながり」によって創られていることへの感謝の思いが伝えられました。
今回の教育委員研修では、タブレットの具体的な活用場面を参観することや、中学校におけるコミュニティ・スクールの現状と課題について生の声を伺うことができ、今後の教育行政を推進していく上で大変貴重な機会となりました。
吉原第一中学校の生徒の皆さん・先生方、学校運営協議会委員の皆様方、ありがとうございました。
11月24日(火曜日) 富士市立岩松中学校で教育委員と語る会を実施しました。
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本年度第1回目となる教育委員の学校訪問並びに教職員と語る会を、岩松中学校において開催しました。
岩松中学校は、JR富士駅より西に約2.5キロメートルの地点、富士川、岩本丘陵、JR身延線西側地域に囲まれ、学区にかりがね堤や岩本山公園を有し、富士山を眺望する景勝地として、近年では宅地としての発展も遂げてきている地に位置しています。このような地に居住する地域・保護者の皆様は、教育への関心も高く、日頃より学校の教育活動に対する御理解と御支援をいただいています。
本校は昭和22年に、当時の富士郡岩松村立岩松中学校として設立され、学級数6学級、生徒数259名、教職員数14名でスタートしました。現在は、岩松小学校と岩松北小学校の2校の進学先として、通常学級17学級、特別支援学級2学級、生徒数561名、教職員数51名の学校となっています。校訓の「言われぬ先に まじめに続けて 骨を折る生徒」では、生活の全ての場において努力が必要であることが示唆されています。学校教育目標「未来を拓く人間性豊かな生徒の育成」のもと、社会の急激な変化に伴い、これからの未来を担う子どもたちには、乗り越えなければならないいくつもの壁が立ちはだかっていますが、この岩松で育った子どもたちが、自分の可能性を信じ、将来にわたって幸せに生きていける人間になることを願って、教育活動が行われています。
当日は、第5校時の授業を参観させていただきました。どの学級においても子ども一人一人が主体的に学習に取り組む姿が見られました。また、先生方はそのような子どもたちの思いや興味・関心に寄り添うために、ICTを活用したり、場面を再現するような模擬形式での授業を行ったりと、コロナ禍における感染対策に十分配慮しつつ、子どもたちの深い学びが実現できるような工夫がなされていました。また、廊下等の掲示物から、子どもたちの日々の努力や頑張りの姿、学校全体での一体感といったものが感じられました。
教育委員会会議11月定例会後には、教育委員と教職員の語る会を実施しました。テーマを「コロナ禍における学校運営面での工夫と課題」とし、教職員がそれぞれの立場において工夫している取組や課題等についてお話いただきました。
休校期間中には、学校がいつ再開しても困らないようにと、普段はなかなかできない場所も含めて清掃活動を行ったり、掲示物の企画・作成を行ったりと、教職員がアイディアを出し合いながら学校再開の準備をしていた様子が紹介されました。また、教員同士で授業力向上のための研修を自主的に行うなど、休校による授業の無い時間を使った研修についても語られました。
学校再開以降においては、主に学習面と生活・行事面での工夫や課題について話されました。1年生においては、2校の小学校から進学してくる子どもたちの人間関係づくりについて話されました。例年入学後の学年・学級レクリエーションや掲示物づくり、健康教室等の行事を通して仲良くなっていきますが、本年度はそれが思うようにできませんでした。そのため、どのように良好な人間関係づくりを進めるかといったことについて、大きな課題事項として学年で何度も協議をしてきた様子が語られました。2年生・3年生においても、節目となる大きな行事を例年通りに開催できないことに対する苦悩と、それでも子どもたちに今何ができるかについて時間をかけて協議していく中で、岩松の子どもたちの実態に合った代替行事を工夫して実施している様子を伺うことができました。その他にも、アンケートや教育相談を通じての心のケアや、消毒等の衛生面からの感染防止対策、事務室から子どもたちを支えるための取組についても、それぞれの立場から日々行っている工夫や感じている課題点等について、意見が出されました。その中で、学校再開当初、アルコール関連の物資不足による危機を、地域・保護者の皆様からの御支援で乗り切れたことへの感謝の言葉や、今も続く消毒作業に対する課題、その対応等について意見が出ました。
学力・授業面での工夫や課題についても意見が出されました。各教科の進捗状況や定着状況をしっかりと把握し、適切に計画等の調整を行ったり、学年部総出で合同授業を計画・実施したりといった工夫が伺えました。また、コロナ禍において、以前のようなグループ活動ができない中でも、感染対策を十分に行いつつ、どのように子どもたちの学びを豊かにしていくかについて、検討しながら授業を進めている様子も語られました。
最後に教育委員からは、教職員の思いや努力が十分子どもたちに伝わっていることが、授業参観で見た子どもたちの前向きな学習姿勢から感じられ、大変ありがたく思っているとの感謝の意が伝えられました。さらに、教職員一人一人のアイディアが生きている岩松中学校の組織体制や、授業づくり、清掃・消毒等への取組等、一つ一つのことが「子どもたちのため」ということで、教職員の努力のもと実現していることへの感謝と同時に、一人一人の健康にも十分に配慮して欲しい旨の意見が出ました。
今回は、コロナ禍における学校運営の工夫と課題について、教職員の生の声を伺うことができ、今後の教育行政を推進していくうえで大変貴重な機会となりました。
1月21日(火曜日) 富士山かぐや姫ミュージアムを視察しました。
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教育委員会では、教育委員研修の一環で教育関係機関の視察を毎年実施しています。
令和元年度は、本市の教育機関である富士山かぐや姫ミュージアム(市立博物館)を視察し、本年度3回目の移動教育委員会会議を、同施設の講座室にて開催しました。
1月定例会終了後に、館長より施設の概要を説明していただきました。
当館は、高速道路のインターチェンジから約3分の場所にあり、駐車場も完備されています。本館をはじめ、歴史民俗資料館、駐車場等の全ての施設が原則無料で利用でき、気軽に郷土の歴史や文化に親しめます。そのため、この地域で活躍した先人の偉業に愛着や誇りを持ち、富士山南麓の魅力を存分に体感することができます。
また、故郷の歴史について自信をもって語れる子どもを育むため、常設展や企画展等、文化財の展示はもとより、出前授業や体験講座、教材の貸出等、小中学校の教育活動と密接な連携が図られています。
概要説明の後、館長の案内のもと、2階の展示室を中心に視察しました。
「富士山とかぐや姫」をテーマとする展示は、富士山の女神として祀られるかぐや姫の説話を影絵で体感することができます。また、電飾パネルや動画、音声、ジオラマ模型やグラフィック等、楽しみながら深く学べる工夫が多くありました。さらに、富士山関連の実物資料は、県内で最も多く、富士講信者が描いた登山絵図や村山修験の法具、鳥居講が展示され、訪れる度に、新たな発見ができる内容となっていました。
特別展示室では、企画展が開催されていました。伝法で出土した東平第一号墳の副葬品等(写真左)が多数展示され、中でも丁字形利器は、国内でもわずか4例しか確認されていない、貴重な儀礼用の道具です。この文化財からは、当時、高度な技術を持っていた朝鮮半島からの渡来系集団との関係があったことが分かっています。
「富士に生きる」をテーマとする常設展にも、見所が多くありました。浮島沼で使われた船を転用した棺、富士山南麓の王墓の副葬品、北条氏からの朱印状、吉原宿を再現したジオラマ(写真中央)、富士川の舟運と渡船の歴史をまとめた動画(写真右)、治水工事が行われた雁(かりがね)堤の実測報告書等の資料が展示されていました。
1階のライブラリーには、県内外の博物館の出版物や富士山にかかわる専門書、児童書が配架され、図書館とは異なる資料を閲覧することができます。また、館蔵品や貴重な映像資料を検索・視聴できる端末も完備されていました。
今回は、富士山かぐや姫ミュージアムの様々な事業内容や学校教育との連携の現状、さらに今後の展望について知ることができ、大変有意義な研修となりました。
11月20日(水曜日) 富士市立富士中央小学校で教育委員と語る会を実施しました。
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令和元年度の2回目となる移動教育委員会を、富士中央小学校で開催しました。
当校は、本市市街地の中央部にあり、学校の東側には本市場大淵線、南側には新々富士川橋に続く道路が通っています。全学年3学級の計18学級に553名の児童が在籍しています。学校は平成の時代に誕生し、富士北地区の発展とともに歩みを進め、創立27年目を迎えました。
本年度は、知育、徳育、体育の調和がとれた「いい表情、いい動き」を教育目標に掲げ、「よく聴く、ともに考える」を重点としています。この目標には、未来志向の学校を目指し、子ども一人一人や全職員が力を発揮できるような学校を創りたいという願いが込められています。
はじめに、5校時の授業を公開していただきました。(写真左・中央)子どもたちの表情が柔らかく、教師の話や友達の意見にじっくり耳を傾け、自分の思いや考えを進んで発表し、理解を深めようとする姿が多く見られました。活動場面では目を輝かせ、生き生きと取り組み、学びを楽しむ姿も見られました。
校内は掲示物等が整然と飾られ、児童は黙々と清掃に取り組み、清々しい環境が整えられていました。
教育委員会会議では、PTA役員や学校評議員の方々にも傍聴していただき、その後、教育委員と語る会を実施しました。(写真右)「地域とともにある中央小学校の未来について」をテーマとし、地域に開かれた学校の現状や、未来を担う子どもたちに期待する姿等について意見を交換しました。
PTA活動は熱心に取り組み、行事や授業参観への保護者の参加率も高いとのことでした。また、交通教室は、3年生を対象に年4回開催し、安全意識を高めていることが分かりました。近年、共働き世帯が多く、子ども会とPTAの両立が負担になっている悩みも出ました。
学校と地域とのかかわりでは、開校から協力体制が確立し、登下校の見守りや読み聞かせ等、継続的にボランティアの支援をいただいていることが分かりました。今年度は、NPOの協力により、富士第一小学校の児童との交流が行われました。地区には、農家や店、学校が多く、本当に生きた学習教材に恵まれ、日々の授業実践において積極的に地域へ出て、学ばせていただていることも分かりました。
地区の特色である北翔まつりは11回目を数え、本年度は10月27日に開催されました。午前は、学校が保護者や地域の方々に授業を公開し、午後は、学校を会場に地域の祭を実施しました。「社会に開かれた」行事で、児童も日頃の学習の成果を示そうと、張り切って参加していたと伺いました。
最後に、地域の子どもが、どのような大人に育ってほしいか話していただきました。未来を担う社会人として、たくましく成長するには、命を自ら守る安全の意識、多様な人と共生できるコミュニケーション力、当たり前のことが自然とできる自負心、善悪の判断等が必要であるという提言をいただきました。
教育委員会は、地域とともにある学校づくりを進めるため、小中学校10校に学校運営協議会を設置し、コミュニティ・スクールの研究を進めています。今回は、学校を大切に支えてくださる地域の方々の生の声を直接伺う貴重な機会となりました。「地域に開かれた学校」についていただいたご意見を今後の教育施策の推進に生かしてまいります。
6月20日(木曜日) 富士市立田子浦小学校で教育委員と語る会を実施しました。
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令和元年度の最初となる移動教育委員会を、田子浦小学校で開催しました。
田子浦地区は教育への関心が高く、様々な活動が熱心に行われています。学校行事には多くの方が訪れ、学校からの依頼にも快く賛同する、強い協力体制が整えられています。また、地域やPTA、学校の代表者が一堂に会し、教育について語る「地域教育連絡協議会」は、年間7回も実施されています。
当校は本市の南部に位置し、712名の児童が在籍しています。玄関前の大そてつは、樹齢356年を誇り、開校時からの歴史を見守る大切なシンボルツリーになっています。自分で考えて行動を起こし、共に活動しようとする志の高い子を育てるため、学校教育目標を「挑戦し ともに輝く」と設定し、重点目標を「じぶんから」とし、様々な教育活動を行っています。
当日は、5校時の授業を公開していただきました。(写真左・中央)どの学級も、子どもたちは明るく元気に、前向きに学習に取り組んでいました。先生方は子どもたちに寄り添い、言葉や思いを丁寧に受け止めていました。授業では教育機器が積極的に活用され、学習の流れや子どもの意見が黒板に整理されるなど、分かりやすくする工夫が多く見られました。
廊下の移動では、自分から進んで挨拶する児童が多く、黙々と掃除する姿も強く印象に残りました。
教育委員会定例会終了後に、教育委員と学校の教職員と語る会を実施しました。(写真右)「働き方改革の現状と課題」をテーマとし、先生方から日頃の業務で感じていること、改善を図っているものの、なかなか改善が進まない現状を話していただきました。
当校では、学級担任の業務を軽減するため、欠席連絡がない児童の確認や下校時の見送り等を、学級担任以外の教職員も協力し行っています。また、会議開催の回数削減や登校時刻の見直し等により、業務の改善が図られています。
しかし、多様化する教育的ニーズに応え、きめ細かな支援を行うには、学校の規模に応じた教職員数の確保、支援員等の複数配置、ボランティアの協力等による支援や協力が必要であるという意見が多くありました。
また、市や県、国に提出する調査等は、実施に向けた学年間の調整や、調査に費やす時間や期間、回数等の負担が大きく、教育活動や業務に影響しているという意見も出ました。
さらに、ICT機器を積極的に活用していますが、様々な機能を効果的に使いこなすには高度な技能が求められ、習得するための機会や時間を要することが、課題として浮かび上がりました。
その他、教育活動全般の見直しや改善には、授業日数の制約、教育的意義、子どもの安全、地域や保護者の願い、教師という崇高な使命感等、様々な葛藤や苦悩がある現状も明らかになりました。
教育委員会では、多忙化解消を図るため、「未来の学校『夢』プロジェクト」の研究モデル校の成果を発信するとともに、各校に留守番電話を設置しています。また、令和元年度にICTを有効活用した学習指導の研究校を指定し、その結果を他校にも広げてまいります。
今回は、教職員の生の声を直接伺うことができ、働き方改革について学校現場の現状と課題を掘り下げ、今後の教育行政の推進に生かしていくための貴重な機会となりました。
1月20日(月曜日) 富士市教育プラザを視察しました。
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平成30年度3回目の移動教育委員会は、富士市教育プラザにおいて実施しました。
教育委員会では、教育委員研修の一環として、教育関係機関の視察を毎年実施しています。今回は、所管の青少年相談センターを中心に施設見学を行いました。
はじめに、青少年相談センター所長より、事業の概要を説明していただきました。
当センターでは相談事業、青少年非行防止事業、子ども若者育成支援事業に取り組んでいます。
相談事業では、ひきこもりや不登校等、子ども、青少年、若者やその家族が抱えている様々な悩みに対して、来所や電話による無料相談を受け付けています。
面接相談の内容は、学校生活や進路、不登校、いじめや友達関係、養育や生活態度、性格、非行や性の悩み等に分類され、不登校に関する相談が9割以上を占めています。
電話相談「ほっとテレフォン・ふじ」(0545-51-3741)には青少年相談員が常駐し、平成30年度は、これまで104件の相談を受けています。
また、臨床心理士が月2回来所しているため、保護者が専門家に悩みを相談することができます。希望者の増加に対応するため、隔月ごと2回のうち1回は相談回数を2倍に拡大しています。
さらに、同じ境遇の保護者同士が集まり、情報交換を通して悩みや不安を共有する保護者教室を開催し、不登校家族の会の方の経験談を聞く機会も設けています。
「ステップスクール・ふじ」は、様々な理由により、学校に行けない子どもたちに職員が継続して関わり、子どもたちの自立性と社会性を育み、学校復帰を目指しています。入級後も在籍校は変わることなく、通級は学校の出席日数に含まれ、学校との併用もできます。日課や時間割が設定されていますが、自分のペースで通うことができます。体験活動では、遠足や校外でのカレー作り等を行っています。
若者相談窓口「ココ☆カラ」では、概ね中学校卒業後から39歳までの青少年や若者をサポートしています。ニートやひきこもり等、社会生活に困難を抱える若者とその家族を支援するため、職員が各支援機関と連携し、伴走型支援により、若者の自立と就労を目指しています。来所が難しい場合は、相談員が自宅に訪問し、ご本人や家族のみの面談等を実施し、利用者のニーズに合わせ柔軟に対応しています。
施設見学では、多目的ホール、調理実習室、和室、創作室を見学しました。そのほか、特別支援教育センターの通級指導教室、心理判定のための学習室も見学し、実際に利用している様子を見ることもできました。
富士市教育プラザには、青少年相談センターのほか、青少年教育センター、特別支援教育センター、教育研修センターがあります。各センターでは事業の着実な実施と取組の拡大を図っています。また、機能の充実させるため、センター間で連携し、利用者のニーズに合った施設運営に努めています。
今回は、青少年相談センターの取組や現状、施設の利活用状況について知ることができる貴重な機会となりました。
11月21日(水曜日) 富士市立元吉原小学校で教育委員研修を実施しました。
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今年度2回目となる移動教育委員会(教育委員研修)は、元吉原小学校を訪問しました。
元吉原地区は、本市の南東部に位置し、東は沼津市と隣接した、東西に細長い地域です。学校は、学区のほぼ中央に位置しています。駿河湾、浮島沼などに接し、自然に恵まれていることから、自然に親しみ、自然にひたらせ、自然から学ぶ場を意図的に設定しています。学校の敷地内にはSL博物館もあり、5年生が総合的な学習の時間の中でSL について学ぶ機会も設けています。
元吉原小学校の本年度の児童数は288名で、特別支援学級1学級を含め13学級あり、毎朝子どもたちは笑顔で元気に挨拶を交わしています。特に、6年生はハイタッチ運動を実践しており、バス通学の50名近くの児童を正門で迎えるような活動もしています。
本年度も学校教育目標に「自分の根をはり 共に伸びる」を掲げ、自ら挑戦し、粘り強くやりぬく力を育んでほしいという願いを込めて、重点目標を「やってみよう、やりぬこう」として、全教職員の共通理解のもと、日々の教育活動に取り組んでいます。
授業参観では、子どもたちが友達と関わりあいながら生き生きと学習に取り組む姿が印象的でした。
定例会後の懇談には、日頃から児童と密接に関わり、様々な場面でご支援くださっている元吉原小学校のPTA会長、副会長、まちづくり協議会会長、学校評議員、民生委員、ふれあい協力員の皆様にご出席いただきました。
懇談会のテーマを「学校と地域との連携について」としたことから、長年に渡り見守り運動を続けてきた元吉原地区ならではの活発な話合いとなりました。
まず、民生委員やふれあい協力員の皆様からは、「子どもたちの元気なあいさつに力をもらっている。子どもたちのあいさつから、家庭での様子を感じることができる。」といった、日頃の子どもたちの登下校の様子から、一人一人の学校生活や家庭生活にまで気にかけていただけていることがわかりました。
また、まちづくり協議会会長や学校評議員の皆様からは、「地域で人を育てていかなければならない。」「学校と連携して、事故を未然に防ぐための仕組みづくりが必要。」といった意見や、「元吉原小学校の位置に小中一貫校を実施し、より小学校と中学校、学校と地域とのつながりを強化し、学校をコミュニティの中心としたい。」といった熱のこもった意見が出されました。
PTAの皆様からは、「子どもたちがほのぼのとしている。親も笑顔でいられる。地域があたたかい。この三角形があるから上手くいっている。」「地域の方々が、こんなにも子どもたちのことを考えてくれていることが大変嬉しい。その思いが子どもたちに伝わっている。」といった意見が出され、地域の皆様の子どもたちや学校に寄せる思いを聞いて、とても感激した様子でした。
最後に山田教育長からは、まず、日頃の地域の皆様の学校に対する協力体制について感謝が述べられ、つづいて、「教育は地域と行政が一体となって進めていくもの。小中一貫教育、特別支援教育、バス通学等、様々な課題や要望については、是非、地域の声を挙げていただきたい。」と締めくくりました。
6月20日(水曜日) 富士市立吉原東中学校で教育委員研修を実施しました。
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平成30年度最初の移動教育委員会(教育委員研修)は、吉原東中学校を訪問しました。
当校は本市東部の吉永地区にあり、115名の生徒が在籍しています。建学の精神「穆如清風(ぼくとしてせいふうのごとし)-そよ風のようにやさしく-のもと、学校教育目標「伝えよう 応えよう 関わり合おう」の実現に向け、平成30年度は「自分の言葉で発信しよう」を重点目標に据えました。教育活動全般において“発信”を合言葉に、様々な場面を通して、考えや思いを伝え合う力の育成に取り組んでいます。
また、地域の伝統芸能である「第六天太鼓」、「大瀧の舞」、「富士岡神楽」のいずれか一つに全校の生徒が関わり、地域の文化を継承する取組が30年以上も続けられています。
5校時に、保健体育、美術、理科、道徳、音楽の授業を公開していただきました。(写真左)(写真中央)教師と生徒との信頼関係に包まれた落ち着いた雰囲気の中、夢中になって学習課題に取り組んでいました。仲間と活動を楽しむ姿、創作に没頭する姿、熱心に観察する姿、級友の意見に耳を傾け発言者を支えようとする姿、教室に響く美しい歌声が大変印象に残りました。
参観後に教育委員が教職員と語る会を行いました。(写真右)特別支援教育をテーマとし、先生方から具体的な場面を取り上げていただき、日頃留意していることや工夫していることについて懇談しました。
まず、教師が生徒に寄り添うことが話題になりました。当校では教師間の合言葉を“美しい言葉”とし、生徒の“発信”に誠実に対応するよう努めています。また、生徒の気になる表れには教師がすぐさま声をかけ、話を聞く姿勢を示すことにより、生徒が心を開き、話してくれるようになったと伺いました。良好な信頼関係を築くためには、こうした積み重ねが重要であると感じました。
次に教師間の連携が話題になりました。当校では、授業や生徒の様子はメモ書きや会話で確実に引き継ぎ、全校職員が情報を共有し、トラブルを未然に防いでいます。また、生徒の移動時には教師が付き添い、次の担当教師に引き渡すなど、時間割を見ながら担当を割り振り、きめ細かに対応していると伺いました。職員の数が少ない状況を克服するため、全職員がのりしろでつながり、生徒の支援に積極的に関わっていることが印象に残りました。
その他、生徒が学習に集中できるようにするため、生徒一人一人の学習状況や支援のニーズを考慮し、全職員が共通認識のもと、スモールステップでできることを増やしています。このことにより、生徒個人の成長はもとより、集団全体の成長にもつながっていることが分かりました。生徒が関わり合う中で支え合い、豊かな社会性を身に付けていくことを再認識しました。
教育委員会では、特別支援教育センターを設置し、臨床心理士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士の専門スタッフが、子どもの発達に関する相談に応じています。市内の小中学校は、当センターと連携し、児童生徒の様々なニーズに応じたきめ細かな支援体制の確立、学習環境の整備、温かな人間関係づくりに努めています。
今回は学校現場の生の声を直接伺い、教育課題の解消につなげていくための貴重な機会となりました。
12月21日(木曜日)ふじやま学園を視察しました。
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平成29年度3回目となる移動教育委員会は、ふじやま学園(福祉型障害児入所施設)を視察しました。
はじめに、山田園長と後藤指導主任より、施設の概要や利用状況等について、資料をもとに丁寧に説明していただきました。(写真左)
ふじやま学園は、児童福祉法に基づき、18歳未満の知的に障がいを持つ児童を支援する施設で、市の事業という強みを生かして様々な機関と連携しています。
入所児への支援では、個々の発達段階に応じたプログラムを組み、きめ細かな支援を通して、日常生活において自立に必要な知識や技能を身につけ、社会に適応できるよう支援しています。また、在宅児への支援では、相談支援はもちろんのこと、短期入所(ショートステイ)、日中一時支援、公開講座等、施設を開放した支援を積極的に行っています。
平成29年度現在の入所児は35名で、児童生徒の登下校の時間帯は学校学年ごとに異なるため、職員が各校の時刻に合わせて対応しています。また、安全確保のため、職員が付き添って登下校をする児童もいます。
寮の共同スペースには、大きなコルクボードが設置されていました。入所している児童生徒一人一人のために、学校の便りを掲示するコーナーを確保し、その上には、所在が確認できるプレートが掛けられていました(写真中央)。また、着替えや翌日の支度、家庭学習や布団敷き等、帰宅してから済ませることを具体的に列挙した掲示があり、児童生徒は職員に見守られ、時には支援を受けながら、一項目ずつ確認して実行しているとのことでした。
その他、子どもたちが地域交流室(体育館)で遊んでいる間は、トイレを一人ずつ使うように気を配り、浴室も順番に利用するなど、トラブルを未然に防ぐ努力をしていると伺いました。また、洗濯用の洗剤をフイルムケースに入れて一回分を正しく使えるようにする、学用品の紛失を防ぐため一括して管理する部屋も設けるなど、細かな配慮があることを知ることができました。
見学の最中に、ちょうど帰宅してきた児童に会うことができました。明るく元気の良い挨拶に、参加者の表情も自然とほころびました。見学させていただいた日はクリスマス間近ということもあり、建物で囲まれた小さなスペースに電飾を張り巡らせ、ツリーも飾られていました。子どもたちの気持ちが明るくなるようにする温かな気配りに心が温まりました(写真右)。
ふじやま学園の児童生徒は、年齢や発達段階にあわせて近隣の県立特別支援学校、地域の小・中学校に通学しています。施設見学や担当者の説明を通して、職員の方々が様々な勤務形態を取り、日々苦心しながら、子どもたちが自立できるようにするための工夫を積極的に行い、献身的に支援している現状を知ることができ、大変貴重な機会となりました。
今後も関係する様々な機関と連携しながら、健やかに子どもたちが成長できるよう、この研修で得た成果を生かしていきたいと考えています。
11月20日(月曜日)富士市立原田小学校で教育委員研修を実施しました。
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平成29年度2回目となる移動教育委員会(教育委員研修)は、原田小学校を訪問しました。
原田地区は本市の東部に位置し、吉原、今泉、吉永地区と隣接しています。地域には湧水源が至る所にあり、湧水量も豊富にあることから、製紙工場がこの地域に多く建てられた歴史があります。かつては、蛍がたくさん飛び交い、今も自然生息している場所があります。地域の活動も活発で、様々な活動に地域住民や小中学生がたくさん参加しています。
原田小学校は明治6年に開校し、創立110周年を迎えます。今年度は14学級に363名の児童が在籍し、学校教育目標に「正しく かしこく たくましく」を掲げ、「徳」「知」「体」の健全な成長を目指し、魅力ある授業づくりを中心とした学校づくりに取り組んでいます。
全校清掃では児童が黙々と活動に取り組み、校舎をきれいに保とうと誠実に働く姿がとても印象的でした。廊下ですれ違った多くの児童が進んで挨拶し、優しさと温かさが感じられました。
授業参観では、子どもたちが生き生きと課題に取り組み、友達と関わりあいながら学習していました。特に、目を輝かせながら挙手する姿、友達の意見と似たところや違うところを話して意見をつなぐ姿、調べてきたことを楽しそうに説明する姿等、学びを楽しむ様子が随所に見られました。
定例会後の懇談には、日頃から児童と密接に関わり、様々な場面でご支援くださっている原田小学校のPTA会長、学校評議員、主任児童委員、スクールカウンセラー、特別支援教育サポート員、ふれあい協力員の皆様にご出席いただきました。テーマは、原田地区の子どもたちの健全な育成に向けて、学校、家庭、地域、児童クラブ、市が互いに連携し、協力し合って児童の育成に取り組むため、「学校と地域の教育力を高める連携の在り方」としました。
懇談では、それぞれの立場で原田小学校の児童に関わっている状況や感想等を紹介していただきました。まず、主任児童委員やふれあい協力員の皆様には、日頃から読み聞かせ等を通して学校に積極的に入り、子どもたちと関わりながら学校と保護者とをつないでいただいていることが分かりました。また、スクールカウンセラーや特別支援教育サポート員の皆様には、子どもたちの気持ちに寄り添いながら関わり、子どもへの理解を深めつつ、様々な機関につないでいただいていることを知りました。さらに、PTA会長や学校評議員の皆様には、それぞれの立場から長年にわたって子どもたちの育成に携わり、子どもや保護者との信頼関係を深め、地域の活動をお支えいただいていることが分かりました。懇談を通して、学校が地域の方々や様々な機関とつながり、常に情報共有や相談ができる体制を整えていることを知ることができました。
本市では、学校や児童生徒を中心として作られる「地域の人の絆」を大切にしています。今後も、家庭や地域社会との連携を深めながら、教育環境を充実させ、学校と地域双方の発展を目指していきたいと考えています。
6月21日(水曜日)富士市立天間小学校で教育委員研修を実施しました。
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平成29年度最初の移動教育委員会(教育委員研修)は、天間小学校を訪問しました。
当校は、富士宮市に接する本市の北西部に位置し、昭和54年に、地域の方々の熱い思いによって創立されました。今年度は、331名(平成29年5月1日現在)の児童が通学し、各学年に2学級ずつあり、2つの特別支援学級を含めて14の学級があります。
当日は午後から大雨が降り出し、視界が悪い中、男性の先生が校門で出迎えてくださり、ズボンの裾がびしょ濡れになりながら、駐車場を手際よく案内していただきました。警報発令が心配される中、先生方をはじめ、児童が笑顔で挨拶してくださり、温かく迎えていただいたことを大変ありがたく思いました。
校舎に入ると、給食後の片付けで忙しい時間帯にもかかわらず、廊下や階段は静かで、ごみ一つなく、すっきりとしていました。児童は、朝の時間に清掃を行っており、朝清掃の継続によって、自分たちが一日を過ごす学校の環境を、自分たちでつくる意識が学校全体に浸透し、常に学校をきれいに保つことが、自然とできるようになっている様子が感じられました。
当校では、学校教育目標「心をつなぐ」の実現を目指し、重点目標に「聴き合い 学び合う」を据え、児童一人ひとりの三つの種を育てています。
1 「がんばりの種」 難しいことや大変なことにも粘り強く、投げ出さずに挑戦する
2 「やさしさの種」 人の気持ちが分かる思いやり、感謝する心を持つ
3 「げんきの種」 よく動く体、病気や怪我に負けない体を作る
低学年の学習では、先生が場所を移動しながら児童の視線を発言者に集め、子どもの発言を丁寧に聴きながら、周りで聴いている児童にも声をかけ、みんなで一緒に考えることを促し、集中して聴き合う姿が見られました。高学年の学習では、児童が移動しながら自分の考えを説明し、友達の説明に耳を傾けながらじっくりと考える姿が見られました。授業中、雨足が一段と激しくなりましたが、どの学年の児童も、学習に集中している姿が印象的でした。
当校には、考えを深め、話し合いを活発にするための手立てや、自分から進んで学ぶことができる手立てが準備されていました。高学年の教室には、「比較」「分類」「関連づけ」等、目的に合わせて、考えが見えるように整理できるプリントが、いつでも活用できるようになっていました。また、話し合いにおいても、先生が児童の意見の要点を黒板に記録する際に、図式化して整理し、学習の全体像や経過が分かるような工夫がなされていました。さらに、図書室には、目的や用途に合わせ、記録用のプリントが数種類用意され、随所に学びをサポートする仕掛けが見られました。
教育委員会定例会後に予定していた「教育委員と教職員と語る会」は、警報が発令されたため、学校長による学校の概要説明を伺い、児童の安全な下校を優先して中止しました。
大雨警報が発令された状況の中、教職員が児童に冷静に行動するよう指示し、的確な対応をして、子どもの安全を確保する危機管理について、実際の様子を見ることができた貴重な機会となりました。
1月20日(金曜日)富士市立吉原第二中学校で教育委員と語る会を実施しました。
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平成28年度最後の移動教育委員会(教育委員研修)は、吉原第二中学校を訪問し、学校を支える地域の方々や学校評議委員、PTA役員と語る会を実施しました。
吉原二中の生徒数は585名で、各学年6学級、特別支援学級2学級、計20学級あります。校区は南北と東に長く、調査では登下校に1時間程度を要する生徒が、全体の10%近くいる程の広さがあります。
学校では、学校教育目標「学び合い 心をつなぎ合う」生徒の育成に向け、一日の大半を占める授業の充実を図るとともに、その基盤となる温かい学級づくりを大切にしています。特に、人間関係づくりプログラムをはじめとした様々な実践を通して、思いやりの心を育み、良好な人間関係の構築に重点的に取り組んでいます。また、二中生は、赤十字の精神に基づくJRC活動に長年取り組み、ボランティア活動に積極的に参加し、地域の環境保全や社会福祉に貢献しています。
授業参観では、落ち着いて学習に取り組む様子や仲間の意見を最後まで真剣に聴こうとする生徒の姿が印象的でした。移動中は、生徒の皆さんが自ら気持ちのこもった挨拶や会釈をしてくれ、非常に温かな雰囲気が伝わってきました。
その後の語る会では、まず、生徒の活躍している様子が話題になりました。地域の代表者からは、わき水が流れる田宿川の清掃活動において、ボランティアで参加した生徒たちが、寒い時も進んで川に入り、刈った川藻を一生懸命かき集めて川岸に上げていること、町内会長も頼りにしている程の働きぶりで、3年生がしっかりと下級生をリードして活動に取り組んでいることを伺いました。また、学校評議員の方からは、地域の防災訓練において、生徒たちが石を積んで即席のコンロを作り、飯ごう炊飯やカレー作りを担当して参加者に提供したことや、DIG(災害図上訓練)に参加して、地域の危険箇所を探してマップにまとめ、発表した内容が町内会長の好評を得ていたことを伺いました。さらにPTA役員からは、様々な行事一つ一つで真剣に取り組む姿が見られ、大変すばらしいと感じていることを伺いました。
次に、教員の多忙化解消に向けた様々な提言や意見をいただきました。スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなどの専門職の増員や教職員との一層の連携による生徒の支援体制づくり、まちづくり協議会との更なる連携によるグリーンベルトの維持管理や地域における様々な活動の充実、PTAと学校の連携を深めるPTA活動の活性化など、いただいた数々の貴重なご意見から、より積極的に学校を支えていこうと考えている保護者や地域の方々の熱い思いが伝わってきました。
最後に山田教育長は、これからの学校は、学校、家庭、地域が児童生徒に関心をもち、教育活動をともに考えて携わっていこうという時代になってきていることに触れ、よりよい子どもたちを育てていくには、学校だけではなかなか力が及ばないこともあることをご理解いただき、地域とともにある学校をともに目指していきたいと述べ、中学生の姿や学校の様子を基にした感想や意見を今後の教育行政に生かしてまいりたいとお礼と感謝を述べました。
11月21日(月曜日)静岡県立吉原林間学園を視察しました。
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平成28年度は、静岡県立吉原林間学園の視察を実施いたしました。
当園は、全国で2番目の情緒障害児短期治療施設として、昭和37年9月1日に開設されました。軽度の情緒障害によって、集団生活への不適応行動が見られる県内の児童生徒を対象に、健全な社会生活に復帰することを目指し、短期間児童生徒を家庭から預かり、心理治療、生活指導、学校教育の三分野から療養を行っています。学習部は、富士市立大淵第一小学校と大淵中学校の分教室となっていて、自閉情緒特別支援学級として、本市小中学校の教職員が所属しています。
はじめに、授業を参観させていただきました。40名の児童生徒が熱心に学習に取り組んでいました。先生方は体験を重視した活動を積極的に取り入れ、児童生徒一人一人の実態に合った方法で支援を行っていました。途中で学習の継続が困難な状況が発生しましたが、複数の先生方が速やかかつ的確に対応し、必要な役割を担っていました。園内の施設については、教頭先生の説明をいただきながら、体育館、カウンセリング室、心理療法室、寮の食堂や談話スペース、個室などを見学させていただきました。
教育委員と語る会では、教頭先生から当園の概要を説明していただき、学習部の先生方から学校現場の厳しい実情に、教職員のチームワークと工夫で対応している状況をお話していただきました。
まず、教材備品や教具をはじめとする様々な物品の不足については、児童生徒に生じた学習の空白部分を補うため、体験を重視した学習活動によって理解を深めたい、本物を通して児童生徒の情操面を育てたい、効果的な教具によって理解を促したいと考えており、先生方が手作りで分かりやすい教材を準備して対応していることを伺いました。
当園では、小学部と中学部の学習指導を、教頭を含む11名の教職員が担当しています。何かあると複数の教職員が対応する必要が生じますが、教職員がお互いのクラスを意識しながらチームワークで対応していること、進路指導は進学や就職先が全県に及ぶため、担当者が方々に依頼し、情報を収集しているご苦労があることも伺いました。
その他、市内の小中学校教職員は、当園の存在を知っていても、詳細は分からない現状があるため、当施設を理解するための機会があることを望む意見がありました。
最後に、教育委員会を代表して、加藤馨一教育長職務代理者がご挨拶申し上げ、先生方が児童生徒の復帰を第一に考え、深い心の闇を抱える児童生徒の気持ちに寄り添い、体を張って日々尽力されていることに敬意と感謝を述べ、教育委員研修の機会をご提供くださったことへのお礼を述べました。
富士市は特別支援教育に力を入れています。吉原林間学園は、県内全域から児童生徒が入所しているため、今後も県教育委員会や関係する様々な機関と連携を密にして、健やかに子どもたちが成長できるように、この研修で得た成果を生かしてまいりたいと考えております。
6月21日(火曜日)富士市立富士川第二小学校で教育委員と語る会を実施しました。
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平成28年度最初の移動教育委員会(教育委員研修)は、富士川第二小学校を訪問しました。
富士川第二小学校は全校生徒357人で、各学年2学級、計12学級あります。また、富士川第二中学校、松野こども園と隣接し、幼・保、小、中の全施設が集中した環境にある利点を生かし、コミュニティ・スクール(学校運営協議会)、幼・保、小、中の連携を推進しており、本市のパイロットスクールとして、地域と学校間の緊密な連携を図るため、先駆的な取組を積極的に実践しています。
学校の重点目標に、「つなぐ」を掲げ、友達や地域と積極的にかかわることで、人間関係力の向上や学びを深めることをめざし、357名の児童の成長を22名の全教職員で支え、地域とともにある学校の実現に向けた諸取組を実践しています。
校内を歩くと、子どもたちが元気な明るい挨拶で迎えてくれました。授業参観では、少人数算数、国語、家庭科、総合的な学習、書写、道徳など、様々な教科を見させていただきました。落ち着いた雰囲気の中、グループで真剣に話し合う姿(写真左)、友達の発表に耳を傾けて真剣に見守る姿(写真中央)など、友達とかかわり合い、のびのびと学習に取り組む子どもたちの生き生きとした表情がとても印象的でした。
その後、学校関係者(校長、教頭、教務主任、5・6年部、少人数指導担当)と教育委員との懇談会を実施しました(写真右)。冒頭に、校長先生より富士川第二小学校の紹介や児童の様子についてお話を伺いました。続いて、小学校の先生方による、中学校への乗り入れ授業の現状や成果、課題についてお話いただき、教育委員の質問に対しても、誠実な回答をいただきました。
中学校の教職員による小学校への乗り入れ授業の成果として、中学校における専門的な指導を高学年の段階で体験することによる、児童の技能や表現力の向上、中1ギャップの緩和といったことが挙げられました。また、小学校の教職員による中学校への乗り入れ授業の成果として、短期間で信頼関係を構築できる利点や小学校で身に付けさせたい基礎基本が一層明確になったといった意見が出ました。
一方で、相互の乗り入れ授業を実施する際、教材研究や準備、提出物の添削、授業の打合せ等の時間がかかること、授業の開始時刻を揃えたことによる休み時間の慌しさなどが話題に上りました。先生方のご意見を直接うかがうことで、子どもたちの成長と学びを支える先生方の真摯な姿勢と、苦労の大きさを改めて確認することができました。
富士川第二小学校では、乗り入れ授業を、子ども観や授業観の共有を図る重要な取組と位置付け、これらの検討課題を実施上の指針(バロメーター)として、十分に議論した上で改善を図り、次年度の取組へつなげたいと考えています。
本市教育委員会では、本年度から義務教育9か年の円滑な接続を図る教育の在り方について研究を進めております。富士川第二小学校の取組から得られた事実や検討課題に基づき、本市の小中学校の連携の実態を精査しつつ、検証を進めてまいります。今回の教育委員研修は、今後議論していく上で欠かすことができない、貴重な意見を直接伺う機会となりました。
1月20日(水曜日)富士南小学校で、教育委員と語る会を実施しました。
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今回の教育委員研修は、富士南小学校の授業を参観したあと、地域の皆様と語る会を行いました。
富士南小学校は、全校児童998名、学級数32学級(特別支援学級1学級を含む)の市内で一番大きな学校です。大規模校ではありますが、全体的に欠席者が少なく、たくさんの子どもたちが元気に通っています。富士市教育委員会が推進する『学校縁』(「地縁」や「血縁」のように、学校や子どもを中心として作られる「地域の人の絆」のこと。)を受け、『南小縁』を合言葉に、子どもたちを中心として学校、家庭、地域、関係団体と連携をとりながら、日々、子どもたちを育んでいます。
5時間目の授業では、元気で明るい歌声、やる気に満ちた発表、真剣に学習に取り組む姿、発表しようとしたけれど緊張でどうしたらいいか困っている友達に優しく接する姿等、いきいきと活動する子どもたちに出会いました。(写真 左)先生方の表情も明るく、学校全体が元気な印象を受けました。
語る会には、学校評議員(兼 区長会長・民生児童委員会会長 他)、PTA役員、ききょうの里子どもクラブ(放課後児童クラブ)の関係者、富士南まちづくりセンター長等の様々な立場から子どもたちを見守ってくださる皆様が参加されました。(写真 右)
中学校もすぐそばにあるため、登校時にはたくさんの子どもたちが行き交う南地区ですが、100名近い地域の方が「児童見守り隊」に登録し、毎日温かく見守ってくださっています。ここ数年、大きな事故もなく、顔を合わせてあいさつすることで、コミュニケーションの輪が広がっています。この日も、先生方と地域の方の日々の積み重ねにより、たくさんの子どもたちが元気よくあいさつをしていました。
一方で、近年、子どもたちの体力、危機管理能力が極端に低下していることや、家庭教育力の低下、子どもたちの様々な生活経験不足等も話題になりました。
ききょうの里子どもクラブの関係者の方からは、施設の確保と支援員の人員確保が喫緊の課題だと問題提起がありました。現在、全校児童の2割近い184名が利用しています。今後、全校児童数は大きく変わらなくても、子どもクラブの利用者は着実に増加していくと予想されています。
教育委員は、大規模校において、地域の方々がどのように関わり、どんなお気持ちでいらっしゃるのか深く関心を持って御意見に耳を傾けました。
県でも、市でも「地域とともにある学校づくり」を推進している今、学校、家庭、地域、そして教育委員会との連携の重要性を改めて感じました。
11月19日(木曜日)吉永第一小学校で、研修を行いました。
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本市では、昨年度16校で実施していた小学3年生の希望者を対象とした放課後学習支援ボランティア事業を、今年度から全ての小学校で実施しています。学校ごとにボランティアを募集し、現在、市内で164人の皆さんが子どもたちに学習支援を行っています。子どもたちや担任の先生方のニーズに合った学習内容を考え、学校ごとに工夫して取り組んでいます。
教育委員会会議11月定例会の実施に合わせて、吉永第一小学校で行われている放課後学習支援ボランティア事業を視察・体験させていただきました。
当日の活動内容の説明を受けた後、五つのグループに分かれて学習プリントに取りかかりました。この日のプリントは、算数の円と球のまとめの問題と力をつける問題です。教育委員もボランティアの皆さんと同じように子どもたちへの支援を体験しました。問題を一緒になって考え、できた解答に丸をつけながら、子どもたちとのコミュニケーションを楽しんでいる様子がうかがえました。
「小学3年生の問題がこんなにも難しいのか。」
という、驚きの声が聞かれました。
早くやり終わってしまった子は、教室の片隅に用意された引き出しから自分の力に合った計算問題のプリントを選択し、意欲的に問題を解いていました。集中して取り組む子どもたちの意欲の高さにも驚かされました。
学習の終わりには、子どもたち、ボランティアの方それぞれが今日の感想を発表しました。
「勉強ができるようになって嬉しかった。」
「みんなが頑張ろうとする気持ちが、どんどん大きくなっているので、教えていて楽しい。」
など、この事業が着実に成果を上げていることを実感しました。
9月18日(金曜日)富士市立高等学校で、研修を行いました。
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富士市立高等学校(以下、市立高校)で、学校の概要説明と授業参観及び施設見学を行いました。
はじめに、平成25年に新設された生活館『錬成館』1階の学生食堂で昼食をとりました。(写真左)
本日のメニューは、「あんかけチャーハン定食(写真中央)」と「冷やし梅おろしうどん(写真右)」でした。この学生食堂は、昼食時になると、食堂のメニューを求める生徒だけでなく、お弁当を持ってくる生徒や自動販売機でパンを買い求めて友達と談笑する生徒たちで溢れています。
その後、齋藤校長先生から開校5年目を迎えた市立高校の概要について丁寧に説明していただきました。市立高校では、教育理念の「CDI」(コミュニティハイスクール、ドリカムハイスクール、探究ハイスクール)を目指し、総合探究科、ビジネス探究科、スポーツ探究科の各学科で特色ある教育活動を行っています。生徒一人一人が、自らの興味・関心に沿った課題を設定し、それについて調査・研究・発表する探究学習や地元の企業と連携したキャリア教育を展開しています。生徒たちは部活動での活躍はもちろんのこと、落ち着いた教育環境の中、進学・就職においても年々実績を上げていることが紹介されました。
5時間目の授業参観では、じっくりと課題に取り組む姿や、探究発表会(9月30日)に向けてプレゼンテーションを熱心に練習する姿が見られました。(写真下左、中央)
学校施設が充実しており、15,000冊以上の蔵書数を誇る図書室や、300人程度収容できる視聴覚ホール(写真下右)の機能性の良さに、見学者から感嘆の声が聞かれました。
6月22日(月曜日)富士市立須津中学校で教育委員と語る会を実施しました。
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今年度最初の移動教育委員会(教育委員研修)は、富士市立須津中学校を訪問しました。
須津中学校は全校生徒388人で、1年生4クラス、2年生5クラス、3年生4クラスと、特別支援学級1学級の14学級があります。須津中学校には、主に、須津小学校、東小学校の2校の児童が進学します。
学校の重点目標として「隣人や社会に貢献できる生徒」を掲げ、挨拶、学校行事、資源回収、地域の行事など様々な場面で貢献することによって、社会を明るくするだけでなく、生徒自身の生きるエネルギーを引き出そうと、教職員37人が一つになって生徒たちの成長を支えています。
今回は5時間目の授業を参観させていただいた後、学校関係者(校長、教頭、教務主任、各学年主任、スクールカウンセラー、特別支援教育コーディネーター、養護教諭)と教育委員との懇談会を開催しました。国語、数学、社会、英語、美術、体育、理科など、様々な教科を見させていただきました。
1年生の社会では、冠位十二階の位を設けることで何を示そうとしたかをグループの中で話し合っていました。男女の仲が良く、活発に意見交換がされていました。(写真左)
3年生の美術の授業では、出来上がったデザイン画の作品を飾るために、額に収める仕上げの段階に来ていました。特別教室だけでなく、教室にも、廊下にも、授業のヒントとなる内容や生活をよりよくするための掲示物が効果的に貼られていました。教育委員は授業参観をしながら、工夫を凝らした掲示物にも熱心に目を向けていました。(写真中)
その後の教育委員と語る会(写真右)では、特別支援を必要とする生徒への対応や特別支援教育関係の外部機関についての話題が出ました。
富士市では、今年4月に「富士市教育プラザ」が開所し、新たに特別支援教育センターがスタートしました。県内の市町(政令市を除く)では初の中学生のための通級指導教室が開設され、市内の中学校から生徒が通っています。個人指導を必要とする生徒に対し、一人一人の特性に応じたきめ細やかな支援を行っています。交通事情や家庭的な事情で、プラザに通えない生徒に対しては、サテライト授業として、通級指導教室の教員が学校を訪問しています。学校での生徒の様子を把握することで、より適切な支援や助言を行っています。
そのほかにも巡回相談、青少年相談センターの適応指導教室「ステップ・スクール」、富士市役所福祉部の子ども未来課、東部児童相談所など様々な外部機関と連携し、生徒の実態や家庭の事情に合った最善の支援を日々模索する先生方のご苦労を知りました。
特別支援教育サポート員が昨年度より一人増員されたこと、外国籍の生徒の家庭との連絡に通訳が入ったことで、先生方の負担が軽減されたことも話題となり、教育委員として何ができるかを考えるよい機会となりました。
1月20日(火曜日)富士市立鷹岡中学校で教育委員と語る会を実施しました。
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今回の教育委員研修は、富士市立鷹岡中学校を訪問しました。鷹岡中学校は全校生徒571人で、中学1,2,3年生ともに6学級ずつあり、特別支援学級2学級を合わせた全20学級の中規模校です。
46人の教職員が一丸となって生徒に係わっていますが、学校だけでは解決困難な部分を保護者の方々、地域の皆様の力を借りて、鷹岡地区全体で学校改善に取り組もうとしている様子を研修させていただきました。
この会に参加された方は、学校評議員、PTA役員、民生児童委員、生涯学習会長の皆様で、日頃から学校に出入りされたり、地域で声掛けをしてくださったりしていて、たくさんの生徒と面識がある方々です。
懇談の前に、5時間目の授業を参観していただきました。(写真左)生徒たちが、教師の話や友達の意見を真剣に聞く姿や自分の言葉で一生懸命に発表する姿だけでなく、先生方の様子や教室環境などにも目を向けながら熱心に参観されました。
その後の教育委員と語る会(写真中、右)では、多くの生徒が明るく挨拶を返してくれること、先生方ががんばっている生徒にはもちろん、教室に入れない生徒一人一人にも温かく、時には厳しい態度で接していること、先生方の声掛けではなかなか心が動かない時に、友だちの優しい声や保護者の見守りが大きな力になっていること、保護者が当番制で見回る活動が始まった中、当番以外の日にも自主的に校内の見回りをしてくださっていることなど、前向きな意見が聞かれました。
長年、地域を支えていらっしゃる参加者からは、「子どもと目線を合わせて、対話する。」「節電も大事だが明るい環境を保つ。」「地区特有の活動(鷹岡中は、学校屋上の天体ドームを利用した天体観測)に子どもだけでなく地域の人々にも参加を募る。」「ほんの少しの方向転換や小さなうちに悪い芽を摘むことで未然に防げる。」などの、今後の活動の参考になる貴重な御意見をいただきました。
中学校区内(鷹岡中、鷹岡小、天間小)での連携も進めています。中学校の先生方が小学校の授業を参観したり、小学校の先生方が中学校に来て子どもたちの様子を確認したりしながら、情報交換を密にしています。だだ、まだまだ学校が変わるには学校、保護者、地域の方々そして教育委員会の連携が重要だと確認しました。
11月19日(水曜日)富士市における外国人児童生徒についての研修を行いました。
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富士市には、平成26年5月1日現在191人の外国人児童生徒が在籍しています。そのうち日本語の指導を必要とする子どもは、88人います。外国人児童生徒が多く通う学校は、小学校が富士見台小(23人)、吉原小(11人)、広見小と富士南小(9人)で、中学校が吉原北中(14人)、岳陽中(8人)、吉原第一中(7人)です。この外国人児童生徒に対応しているのが吉原小学校にある国際教室と富士見台小学校の日本語教室です。
この日は、2つの教室で長年指導に当たっていらっしゃる横山レイカ氏をお招きし、仕事の内容や子どもたちとその保護者の様子などをお聞きしました。
日本語の指導を必要とする子どものうち、母国語がポルトガル語の子が37人、スペイン語が19人、フィリピン語が15人、その他の言語が17人となっています。近年、フィリピンからの転入が多く、家庭環境も大変複雑で、勉強だけでなく生活の指導も必要になっています。
平成5年に吉原小学校に国際教室ができました。その時から横山氏は勤務され、たくさんの子どもたちに接してきました。吉原小では、午後からの勤務となっており、放課後に宿題や補習をしています。富士見台小には午前中に勤務されていて、個別に日本語指導をされています。
横山氏は、全ての子どもたちに深い愛情をもって接していらっしゃいます。子どもの自立と、周りの人たちに迷惑をかけることなく生活していって欲しいという強い願いを持っています。そのため、時には保護者に対して直接アドバイスをしたり、電話で連絡を取って子どもの様子を伝えたりすることもあります。
以前は、両親と子どもで家族そろって日本に来るケースが多かったのですが、ここ数年は、母子、父子の家庭が増えてきています。子どもを取り巻く環境が複雑であればあるほど、子どもへの指導も困難になってきているようです。家庭の教育方針も国によって様々で、日本に住んでいる限りは、日本の習慣に沿って生活するように、和の心も教えています。
富士市の教育を考えるに当たって、とても参考になるお話をたくさんお聞きすることができ、大変有意義な研修になりました。
9月22日(月曜日)富士市立こども療育センターを視察しました。
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教育委員からの要望の声が高かった富士市立こども療育センターの視察を行いました。
はじめに、井出所長から施設の特色や機能、利用状況などを丁寧に説明していただきました。(写真左)
こども療育センターは、「相談・療育機関」と「通所施設」が併設されています。「療育相談室」(2階)は、市の単独事業という強みを生かして、保護者からの相談に速やかに対応できる体制を整えています。専門スタッフと関係機関との連携によって、保育園・幼稚園の先生方を支える仕事もしています。
「みはら園」(1階:写真中央)には、現在60人の子どもたちが通っており、一人一人の発達に合わせた療育・保育が行われています。通常1人のスタッフが3人の園児を担当しています。卒園後の子どもたちの成長も継続して見守っているそうです。
施設内の見学の途中で、ちょうど「みはら園」の園児たちが帰宅する様子を見ることができました。バスで帰る子もいれば、保護者が迎えに来る子もいます。明るいあいさつが園内に響き、教育委員の皆さんの表情も自然とほころびました。
右上の写真にありますように、子どもたちが使用する椅子は、個に応じた様々な形をしています。言葉で注意を促すばかりではなく、個に応じた設備や道具を工夫して、体の感覚や視覚に訴える支援を多く取り入れていることが分かりました。
子どもたちは、食事にも細かい配慮が必要です。アレルギーの対応はもちろんのこと、食材の大きさや固さに配慮した特別食も用意しているという説明に熱心に耳を傾けました。
施設にはたくさんの特徴のある部屋があります。防音設備を備えた聴覚を検査する部屋、体の機能や心の状態を見る訓練室、乳幼児の保護者が研修する家族研修室(和室)などのほか、2階のバルコニーにはプールも備えてありました。このような充実した環境は、他市の同様の施設からの評価も高いそうです。
富士市では、特別支援教育に力を入れています。みはら園の場合は、卒園後に特別支援学校に進学する子どもたちがほとんどですが、市内の小学校の通常学級、特別支援学級に進む子もいるようです。また、療育相談室は、毎年、市内保育園・幼稚園の年長児100名以上から相談が寄せられており、その子どもたちの多くは、通常学級に進んでいるとのことのことです。連携を密にして、健やかに子どもたちが成長できるように、この研修を生かしていきたいです。
6月23日(月曜日)富士市立大淵第一小学校で教育委員と語る会を実施しました。
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今年度最初の教育委員研修は、富士市立大淵第一小学校で6年生の外国語活動の授業を参観し、その後、先生方と教育委員、ALTのデロイ先生も交えて語る会を行いました。
大淵第一小学校区は自然に恵まれた地域で、多くの福祉施設があります。施設の皆さんとの交流学習も活発に行われてきました。あいさつ、無言清掃、交通安全を柱とし、6年生が中心となってお手本を示し、良き伝統を築いています。また、地域の皆さんの温かい協力によって多くの活動が支えられています。
【外国語活動 授業参観】
この日の授業はアルファベットの大文字・小文字を使ったクイズやゲームで、“Do you have??”を学びました。
“Do you have‘a’?” “Yes, I do. Here you are.(カードを渡す)”
“Do you have‘m’?” “No, I don’t.”
自分の名前に入っているアルファベットのカードを友だちが持っているか尋ね合いました。持っていたら受け取り、自分の名前を完成させていきます。文字がそろったら、デロイ先生のところに行き、
“What’s my name?”
と質問して、デロイ先生に自分の名前を答えてもらいました。最後の一人が完成するまで、みんなで協力して探すという微笑ましい場面もあり、お互いに“Good job!”とがんばりをたたえ合っていました。
友だちとペアになって歌う場面や、デロイ先生と個々に対話する場面もたくさんあり、一人一人が生き生きと授業に臨んでいました。担任の稲葉先生も元気いっぱいに、子どもたちに質問を投げ掛け、クラスの一体感を感じる1時間でした。
【教育委員と語る会】
ALTのデロイ先生は、小学校では楽しい英語の授業をすることを心がけ、中学校、高校でも英語が嫌いにならないで欲しいという願いを持って取り組んでいます。5・6年の担任の先生方は、そのデロイ先生の熱心な姿に共感し、「失敗しながらも一緒になって楽しむ姿勢を子どもたちに積極的に見せている。」と話されました。英語を介してコミュニケーションすることにより、人間関係づくり、学級づくりがなされているということも話題に挙がりました。
先生方からの要望として「ALTの訪問日を増やして欲しい。」「もっとネイティブの発音を聞かせたい。」「教材・教具を増やし学習環境を充実させたい。」などの意見が出されました。教育委員から先生方には「日本を取り巻く環境がどんどん変化しているので、小さいうちから外国語に触れされることは重要。」「ALTが訪問した際には、生の英語をたくさん聞かせて欲しい。」と伝えられました。
1月20日(月曜日)富士市立富士南中学校で教育委員と語る会を実施しました。
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今回の教育委員研修は、富士市立富士南中学校を訪問しました。富士南中学校は全校生徒845人、市内で最も生徒数が多く、県下でも有数の大規模校です。学級数は28学級(特別支援学級2学級含む)、64名の職員(教員数43名)が生徒に関わっています。
今回の研修のねらいは、大規模校の生徒や先生方の様子を参観するとともに、大規模校ならではのよさや大変さ、保護者の方々、地域の方々が学校に寄せる思いや支える姿について学ぶことでした。
【写真左】
野中校長先生(写真中央)からは、授業を柱とし、授業改善を通して生徒との人間関係、信頼関係を構築し、生徒指導につなげていくこと。授業公開し、教員同士の研修の場とするだけでなく、地域の方々にも学校を理解し応援してもらう場としているとの話がありました。
また、震災の被災地とつながり、宮城県の高等学校の校長先生に講演してもらったり、全国防災会議に3名の生徒が参加したりと、防災学習を積極的に進めている新たな取組も紹介されました。
【写真中】
地域や保護者の方々からは、「自分が在学していた頃と比べても子どもたちがしっかり集中して授業に取り組んでいる。」「子どもたちがとても和気あいあいとリラックスして授業を受けていると感じた。」「机の配置も様々あって工夫している。授業の仕方もかなり変わってきている。今の中学生は覚えるのも早いのではないか。」「廊下ですれ違ってもあいさつをする生徒が多い。」など、生徒たちの落ち着いた様子を喜ぶ声が多く出されました。
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教育委員からは、「教室に入ると一体感があると感じた。それはどこの教室でも同じだった。」「参加していただいた地域の方々は学校の応援団だと感じた。」「先生方が1つになってとにかく授業で…という信念のようなものを感じた。」「防災教育など特色ある取組をされている。全国防災会議に参加した生徒さんは良い経験をされたと思う。」「子どもたちの姿を見て、保護者の方、地域の方と一体となって学校が経営されていると感じた。」「生徒の数は多いが、その一人一人の生徒の心の奥まで先生たちの指導が行き届いていると感じた。」など、教員が同じ意識で子どもたちと向き合い、保護者や地域に支えられながら特色ある学校運営を展開する取組に感謝する意見が多く出されました。
9月20日(金曜日)富士市立高校で教育委員研修会を実施しました
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今回の教育委員研修では、錬成館(生活館)の視察と、授業参観を行いました。旧錬成館の老朽化に伴い改築された新錬成館は、食堂や宿泊施設、会議室を備えた3階建ての施設です。市立高校生徒の研修や部活動の合宿等に利用されるほか、学校に関連する団体等の利用にも提供されます。
委員には生徒たちの授業を参観とともに、食堂での昼食と宿泊用施設部分(宿泊室)の視察をしていただきました。
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研修では、いくつかの授業を参観しました。写真は1年生の英語の授業ですが、ほとんど日本語を使うことなく、英語だけで進める学習スタイルに委員は感心していました。
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最後にセミナー室(会議室)で齋藤校長先生と眺野指導主事から、現在の市立高校の取り組みや学習、今年からスタートした学校運営協議会について説明していただきました。感想を話してくださった加藤委員からは、「大変気持ちの良い子どもたちが多いことに感心します。授業にも真剣に打ち込む姿が見られました。」との言葉をいただきました。
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委員には新しい食堂で昼食を召し上がっていただきました。安い値段に関わらずボリュームいっぱいの美味しいメニューに、委員たちも満足気でした。
8月20日(火曜日)ケータイ安全教室を受講しました
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今回の教育委員研修では、NTTドコモサービスが提供する「ケータイ安全教室」を受講しました。これは、スマートフォンや携帯電話等を通じたインターネットサイトを巡り、青少年が様々なトラブルや犯罪に巻き込まれるケースが増えている現状を踏まえ、「子どもを守る」という観点から「子どもとネット社会」の現状を理解し、どのように子どもたちに指導すべきかについて様々な事例を通して具体的に学ぶというものです。
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安全教室の中では、講師の松浦さん、瀧さんから「ケータイとスマートフォンの違い」「ネット上のトラブルについて」「トラブルの防御方法」「家族でのケータイルール作り」等について分かりやすく説明を受けました。
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最後に吉川委員から「ケータイによって子どもが被害者にも加害者にもなりえることがよく分かりました。この教室はお母さんたちに話す機会も子どもたちにも話す機会もあるということで、本当に富士市中の保護者の方や子どもたちに聞いてもらいたいと思いました。最後に『まず家庭がしっかり』ということをおっしゃっていただいたので、これからもいろいろなことを勉強していきたいです。」との感想をいただきました。
7月19日(金曜日)童親会大西さんの講演を聴きました
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今回の教育委員研修では、裾野市で青少年リーダー養成活動をしている大西国明さんを講師に迎え、「新しい時代の青少年健全育成」をテーマにご講演いただきました。
大西さんは、静岡県上級青少年団体指導者の資格を持ち、代表を務める「童親会」の主催する講習会は、県教育委員会の定める青少年指導者級位認定において、中級指導者認定事業となっています。
現在、富士市教育委員会では、「青少年の船」事業に替わる新規事業について検討を進めていますが、今回の講演で学んだことを、今後の青少年健全育成事業に役立てていきます。
講演では、大西さんの30年間にわたる青少年健全育成、地域貢献活動をもとに、青少年健全育成を進めていく上で大切にしていかなければならないことを語っていただきました。その中では、「自然体験や炊事体験をすることが目的ではなく、あくまでも手段であること。」「大事なのはリーダーと参加者の人と人との交流をしっかりもつこと。」「これからの事業を考える時、リーダーと参加者、参加者同士の人間的な交流がしっかりとできているかを判断材料の1つとして欲しい。」と教えていただきました。
6月17日(月曜日)富士市立吉永第二小学校で教育委員と語る会を実施しました
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今回の教育委員研修では、富士市立吉永第二小学校を訪問しました。豊かな自然に囲まれた吉永第二小学校は1学年1クラスの小規模校です。今回の研修のねらいは、小規模校の子どもたちや先生たちの様子を参観するとともに、小規模の学校ならではの良さや大変さ、地域の人々が学校を支える姿について学ぶことができました。
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1年生の教室では、帰りの会の様子を参観しました。2人の当番さんの元気な号令に負けずに大きな声で返事をしたり、発表したりする姿が見られました。
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昨年度導入された新しいパソコンを使って「交通安全を語る会」の資料を作成する6年生の授業を参観しました。パソコンの機能を効果的に使いながら作業を進める子どもたちに、教育委員も感心していました。写真のほかにも全学年の授業等を公開していただきましたが、どの学年の子どもたちも楽しく、そして集中して取り組んでいました。
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教育委員と教員との懇談会では、小規模校のメリットとして、友達同士の仲が深まることや、体育館やプール等の施設を自由に使える上、授業や行事が弾力的に進めることができること。また、教員同士の結束力が高まる上、何でも自分でやらなければならないので、教師としてのスキルアップができること等が挙げられました。
反対に、デメリットとして、子どもたちの中で序列化や馴れ合いが生まれ、競い合いが弱くなること、大舞台で力を発揮できないこと。また、教員の負担がとても大きいこと等が上げられました。
地域との交流については、昔から学校と一体となって子どもたちを育ててくれる雰囲気があり、保護者の方だけでなく地域の方々が積極的に子どもたちに関わってくれるため、大変助かっているとのことでした。
佐野教育委員長からは、「小規模と大規模でそれぞれ良い点、悪い点があるのは企業も同じ。小規模の学校の良いところをどんどん伸ばして欲しい。先生方と地域の知恵を使って競い合うことの大切さを体験させるとともに、自立心のある子どもへ育てて欲しい。」との話がありました。
教育総務課(市庁舎5階北側)
電話:0545-55-2865
ファクス:0545-53-8584
メールアドレス:kyouiku@div.city.fuji.shizuoka.jp
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