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救急蘇生法(心肺蘇生法)

救急蘇生法とは

1. 救急蘇生法とは
 病気や怪我により、突然に心肺停止、もしくはこれに近い状態になったときに、心臓マッサージのための胸骨圧迫、および人工呼吸を行うことを心肺蘇生(Cardiopulmonary Resusci-tation:CPR)といいます。胸骨圧迫だけでも傷病者の救命率は大幅に向上するので、状況によっては人工呼吸が省略されることもあります。
 傷病者を救命するために大切な心肺蘇生、AED(Automated External Defibrillator:自動体外式除細動器)を用いた除細動、異物で窒息をきたした場合の気道異物除去の三つを合わせて一次救命処置(Basic Life Support:BLS)といいます。

2. 迅速な救急蘇生法の必要性
 傷病者が発生した現場にいる市民は、救急車の到着をただ待つのではなく、医師や救急隊員が到着するまでの間、傷病者に対して適切な救急蘇生法を行うことが求められます。
 呼びかけに反応がなく、普段どおりの息(正常な呼吸)がない場合には、ためらわずただちに心肺蘇生を開始して、AEDによる心電図解析や電気ショックを行う合間を除いて、できるだけ絶え間なく続けます。心肺蘇生は傷病者が(嫌がって)動き出すか、または救急隊に傷病者を引き継ぐまで続けます。
 心肺蘇生のためには、強く、速く、絶え間ない胸骨圧迫がもっとも重要であり、これだけでも傷病者の救命率は大幅に向上します。

3. 市民によるAED
 突然の心停止は、心臓が細かくふるえる「心室細動」によって生じることが多く、心室細動になってから電気ショックを行うまでの時間が1分遅れるごとに社会復帰率が7~10%ずつ低下することが知られています。富士市では119番通報をしてから救急車が到着するまで平均6分以上かかるので、救急車を待つ間に救急の現場にいる市民がAEDを用いて除細動を行うことが大切です。

4. 感染対策 
 心肺蘇生を行うことによって、救助者が肝炎やHIV/AIDS(ヒト免疫不全ウイルス/エイズ)ウイルスなどに感染する危険性はきわめて低いと考えられていますが、ゼロではありません。心肺蘇生法を行うにあたっては、感染防護具として一方向弁付き呼気吹き込み用具などの使用が推奨されています。
 感染防護具を持っていないときに口対口人工呼吸がためらわれた場合は、胸骨圧迫だけでも実施することが推奨されます。

心肺蘇生法の手順

1. 反応を確認
(1) 傷病者に近寄る前に周囲を見渡し安全であること確認します。
(2) 安全が確認できたら倒れている人に近づき、「大丈夫ですか?」などと声を掛けながら肩をたたいて刺激をあたえます。

(画像)倒れた人を発見した場面

2. 大声で叫んで周囲の注意を喚起する
 反応がなければ「誰か来てください!人が倒れています!」などと大声で叫び、周囲の注意を喚起します。

(画像)消防が通報を受けている場面

3. 119番通報してAEDを手配する
 「あなた、119通報をお願いします。」「あなた,AEDを持って来てください。」など、具体的に依頼するのがよいでしょう。
※大声で叫んでも誰も来ない場合、119通報とAEDの手配はあなた自身が行わなければなりません。
 手元に電話がないときは、いったん傷病者の元を離れてでも119番通報します。
 また、AEDが近くにあることがわかっていれば、AEDを自分で取りに行きます。
 病者の元に戻ったら、すぐに次のステップに進みます。
 忘れないでください、あなた一人しかいない場合は、心肺蘇生を始めるよりも119番通報することとAEDを持ってくることが優先です。

4. 呼吸を確認する
 傷病者のそばに座り、10秒以内で傷病者の胸や腹部の上がり下がりを見て「普段どおりの呼吸」をしているか確認します。
 胸や腹部の動きがない場合、約10秒間確認しても呼吸状態がよくわからない場合、また、しゃくりあげるような途切れ途切れに起きる呼吸がみられる場合は「普段どおりの呼吸なし」と判断します。

5. 胸骨圧迫を行なう
 普段どおりの呼吸がなければ、ただちに胸骨圧迫を開始します。
 胸の左右の真ん中に「胸骨」と呼ばれる縦長の平らな骨があります。圧迫するのはこの骨の下側半分です。この場所を探すには、胸の真ん中(左右の真ん中で、かつ、上下の真ん中)または乳頭と乳頭を結ぶ線と胸骨が交差する部分より少し足側を目安にします。
 この位置に一方の手のひらの基部(手掌基部)をあて、その手の上にもう一方の手を重ねて置きます。重ねた手の指を組むとよいでしょう。
 垂直に体重が加わるよう両肘をまっすぐに伸ばし、肩が圧迫部位(自分の手のひら)の真上になるような姿勢をとります。傷病者の胸が少なくとも5cm沈み込む程度の圧迫をくりかえします。圧迫のテンポは1分間に少なくとも100回です。

(画像)気道確保の状況

6. 気道を確保する
 傷病者を仰向けに寝かせ、あなたは傷病者の顔を横から見る位置に座ります。
 片手で傷病者の額を押さえながら、もう一方の手の指先を傷病者のあごの先端、骨のある硬い部分にあてて持ち上げます。このとき、あごの下の軟らかい部分を指で圧迫しないよう注意してください。
 傷病者の顔がのけぞるような姿勢になり(頭部後屈)、あご先が持ち上がるはずです(あご先挙上)。
 このような動作によって傷病者の喉の奥を広げ、空気(息)を通りやすくすることを「気道確保」と呼びます。

(画像)人工呼吸の場面

7. 人工呼吸を2回行う
 額を抑えているほうの手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまみます。
 傷病者の胸が上がるのが見てわかる程度の量を約1秒間かけて息を吹き込みます。
 胸が上がらなかった場合は、気道確保をやり直してから吹き込みを試みます。
 うまく胸が上がらない場合でも、吹き込む努力は2回までにします。

(画像)心肺蘇生実施の場面

8. 胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の組み合わせ(心肺蘇生)を続ける。
 胸骨圧迫は30回連続で行うことが目標ですが、正確に30回でなければならないというわけではありません。
 胸骨圧迫を30回続けたら、その後は人工呼吸を2回行います。
 この胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の組み合わせを絶え間なく続けます。
 心肺蘇生を続けているうちに傷病者が動き出す、うめき声を出す、あるいは普段どおりの息をしはじめた場合は心肺蘇生を中止します。

AED使用の手順

 AEDは、音声メッセージと点滅するランプで処置すべきことを指示してくれます。
 また、すべての人に反応するのではなく、倒れている人の状態により心肺蘇生法の実施を指示します。

手順

1. 電源を入れる。
 AEDが手元に届いたら、最初に電源を入れます。機種によって、蓋を開けると自動的に電源が入るタイプもあります。

2. 電極パッドを貼り付ける
(1) 傷病者の胸から衣服を取り除き、胸をはだけます。ボタンやホックが外せない場合や、服を取り除けない場合には衣服を切る必要があります。
(2) AEDのケースに入っている電極パッドを袋から取り出します。
(3) 電極パッドの一枚を右前胸部(鎖骨の下で胸骨の右)、もう一枚を左側胸部(脇の下5~8センチ下、乳頭の斜め下)の肌に直接貼り付けます。
※ 貼り付け位置は電極パッドや袋にイラストで描かれていますので参考にしてくだ さい。

3. 心電図の解析
 電極パッドが肌にしっかり貼られると、「傷病者から離れてください」との音声メッセージとともに、AEDは心電図の解析を自動的に始めます。あなたは周囲の人に傷病者から離れるよう伝え、誰も傷病者に触れていないことを確認してください。誰かが傷病者の体に触れていると、振動で心電図の解析がうまく行われない可能性があります。

4. 電気ショックと心肺蘇生の再開
(1) 電気ショックの指示が出たら
 AEDは心電図を自動的に解析し、電気ショックが必要である場合には「ショックが必要です。」などの音声メッセージとともに自動的に充電を開始します。周囲の人が傷病者の体に触れないよう声をかけ、誰も触れていないことをもう一度確認します。
(2) ショック不要の指示が出たら
 AEDの音声メッセージが「ショックは不要です」などであった場合は、その後に続く音声メッセージに従って、ただちに胸骨圧迫を行い心肺蘇生を再開します。

5. 心肺蘇生とAEDの手順のくりかえし
 AEDは2分ごとに自動的に心電図の解析を始めます。そのつど音声メッセージに従って、傷病者から手を離します。周囲の人にも離れるよう声をかけ確認してください。
 目安として、胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の組み合わせを5サイクルほど実施すると、およそ2分が経過します。
以後、約2分間おきに、心肺蘇生とAEDの手順をくりかえします。

6. 心肺蘇生はいつまで続けるか
 傷病者が嫌がって動き出すか、救急隊等に傷病者を引き継ぐまで、心肺蘇生とAEDの手順をくりかえしてください。傷病者が動き出して心肺蘇生が中止できたとしても、いつ再び心臓が停止してAEDが必要になるかわからないので、AEDの電極パッドは傷病者の胸から剥がさず、電源も入れたままにしておいて下さい。

7. 特殊な状況
電極パッドを肌に貼り付けるときには,気をつけなければいけないいくつかの特殊な状況があります。
(1) 傷病者の胸が濡れている場合
 電気が体表の水を伝わって流れてしまうためにAEDの効果が不十分になります。
 乾いた布やタオルで胸を拭いてから電極パッドを貼り付けてください。
(2) 胸毛が多い場合
 電極パッドが肌に密着していないため、AEDの効果が減衰してしまいます。
(3) 貼り薬がある場合
 ニトログリセリン、ニコチン、鎮痛剤、ホルモン剤、降圧剤などの貼り薬や湿布薬が、電極パッドを貼り付ける位置に貼られている場合には、まずこれを剥がします。次に残っている薬剤を拭き取ってから、電極パッドを貼り付けます。
 貼り薬の上から電極パッドを貼り付けると電気ショックの効果が減少しますし、貼り付け部位にやけどを起こすことがあります。
(4) 医療器具が埋め込まれている場合
 皮膚の下に心臓ペースメーカや除細動器が埋め込まれている場合は、胸に硬いこぶのような出っ張りが見えます。
 パッド貼り付け部位にこの出っ張りがある場合、避けて貼り付けてください。

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用語解説については、「Weblio」までお問い合わせください。

お問い合わせ

消防本部警防課救急管理室

電話:0545-55-2856
メールアドレス:fi-keibou@div.city.fuji.shizuoka.jp

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