源頼朝の伝説

　富士川の河沼から水鳥が一斉に飛び立った音を、源氏軍の夜襲と勘違いした平氏軍が逃げ帰った場所とされています。この付近にはかつて「平家越」という小字がありました。

　富士川の合戦のとき、頼朝が弓矢と馬を奉納し平氏追討の戦勝祈願をして成就したとの伝承から、村では霊験あらたかな神様であるとして篤く信仰されました。

　富士郡鮫島村出身の鮫島四郎宗家の氏神です。宗家は頼朝が韮山で平氏追討の旗揚げをしたときから頼朝に仕えた武士で、富士川の合戦では道先案内をつとめたと考えられています。

　鎌倉幕府で全国の御家人を統制する侍所の初代別当（長官）をつとめた和田義盛の功績を称え、義盛をここに祀ったと伝えられています。義盛は富士川の合戦でこの辺りを守ったとされています。

　清岩寺門前にある急勾配の坂を呼子坂といいます。源氏軍が高地に陣を敷き、この坂の上から呼子の笛を吹いて兵を集めたと伝えられています。大正期に原田村の青年団によって碑が建てられました。

　富士川の合戦のとき、頼朝が鎧を淵の岩にかけて身体を洗ったので、鎧ヶ淵と呼ばれるようになったと伝えられています。